【2025年最新版】建築CGパースの作成におすすめのCADソフト10選【初心者向け】
- PersGPT
- 7月12日
- 読了時間: 12分
更新日:7月25日

建築パースを作成する際、「どのCADソフトから始めればいいのか分からない」と感じていませんか?
本記事では、これから建築CGパースを始めたい初心者の方向けに、無料で気軽に試せるソフトと、将来的に実務で活用できる有料ソフトをそれぞれ5つずつ、PersGTPチームの実務視点で厳選してご紹介します。
2025年時点のトレンドや使用感も反映していますので、まずは気軽に触ってみたい方から、早い段階で本格的なスキルを身につけたい方まで、目的に応じたツール選びの参考にしていただけます。
それでは、「無料」「有料」に分けて、それぞれのおすすめソフトを見ていきましょう。
そもそもCADとは?

建築CGパースを作成するには、「3DCAD(スリーディーキャド)」と呼ばれるソフトウェアが必要です。 3DCADとは、「Computer Aided Design(コンピューター支援設計)」の略で、コンピュータを使って3次元の設計やモデリングを行うためのツールです。
従来の2D図面(平面図・立面図など)では伝わりにくかった建築空間の立体感や奥行きを、3DCADなら視覚的にわかりやすく再現できます。そのため、住宅や商業施設の完成イメージを顧客にわかりやすく伝える「CGパース」の制作には欠かせない存在です。
3Dモデルを一つ作るだけで、パースだけでなく、断面図・立面図などの図面を自動生成できるソフトもあり、設計・提案の効率化にもつながります。
近年では、操作がシンプルで初心者でも扱いやすい無料ソフトも増えており、学習コストを抑えて導入しやすくなっています。
まずは無料で始めたい方へ【無料CADソフト5選】

建築パースをこれから始めたい方に向けて、無料で使える初心者向けのCADソフトを5つ厳選しました。
どれも操作がシンプルで扱いやすく、パースの練習や提案用モデリングなど、初期段階に必要な機能を備えています。各ツールの特徴や操作感、商用利用の可否もあわせてご紹介しますので、「まず何から使えばいいか分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
まずは無料で始めたい方へ【無料CADソフト5選】
SketchUp Free|建築パース初心者に最適な入門3DCAD
Blender|CG表現に強い、無料の超高機能モデリングソフト
FreeCAD|精密設計にも対応するオープンソースCAD
Tinkercad|完全初心者でもすぐ使える超シンプルCAD
BricsCAD Shape|建築設計に特化したSketchUp風CAD
1.SketchUp Free|建築パース初心者に最適な入門3DCAD
SketchUp Freeは、建築やインテリアの3Dモデリングをこれから始める人にとって最も親しみやすい無料ツールです。ブラウザ上で動作するため、PCにインストール不要で、アカウント登録後すぐに利用できます。
基本的な操作は「線を引く → 面を押し出す」という流れで、紙にスケッチを描くような感覚で3Dモデルを作成できます。建築物のボリューム感や空間のレイアウトを視覚的に確認したいときに非常に便利です。単純な建物の外観であれば、1時間程度で作成可能です。
ただし、無料版は商用利用ができず、機能も有料版(SketchUp Pro)に比べて制限があります。また、拡張機能やプラグインには対応していないため、本格的なレンダリングや詳細な設計支援が必要な場合は、有料版への移行を検討する必要があります。
それでも、建築パース制作の入門としては十分な機能がそろっており、「無料でここまでできるのか」と驚かれるユーザーが多いツールです。
メリット
インストール不要で、どのPCからでも利用可能
初心者向けの直感的な操作性
3D Warehouse(共有モデルサイト)で豊富な素材を使える
基本情報
商用利用:✕(個人利用のみ)
対応OS:Windows / macOS(ブラウザ対応)
料金:無料(SketchUp Proは有償)
建築CG向き度数:★★★★☆
2.Blender|CG表現に強い、無料の超高機能モデリングソフト
Blenderは、アニメーションやVFX、ゲーム開発などで使われる完全無料・高機能な3DCGソフトです。もともとは映像向けに進化してきたソフトですが、近年では建築ビジュアライゼーションでも利用されることが増えており、高品質なレンダリングやアニメーションでリアルなパースを作成したい人には最適です。
モデルの作成から質感設定、ライティング、カメラワーク、レンダリングまで全て1本で完結でき、しかも無料。インポート/エクスポートのフォーマットも豊富で、他CADとの連携もスムーズです。
操作にはある程度の慣れが必要ですが、チュートリアル動画や日本語情報が非常に豊富なため、学びながら実践することができます。
メリット
高機能ながら完全無料(商用利用もOK)
高品質なレンダリングエンジン(Cycles)を標準搭載
アドオンによる機能拡張が豊富
日本語チュートリアルが多数あり学びやすい
基本情報
商用利用:◯
対応OS:Windows / macOS / Linux
料金:完全無料
建築CG向き度数:★★★★☆(CG表現重視なら★★★★★)
3.FreeCAD|精密設計にも対応するオープンソースCAD
FreeCADは、オープンソースで開発されている中〜上級者向けの3DCADソフトです。ソリッドモデリングをベースにしており、建築、機械設計、プロダクト開発など幅広い分野に対応します。
建築パース用途としては、BIMモジュール(Arch Workbench)※を使うことで、壁・窓・柱などの建築要素を組み合わせて本格的な構造物を構築できます。SketchUpのような直感操作ではなく、寸法やパラメータ入力を重視する設計スタイルのため、図面精度を求める人に向いています。
複数のモジュールを組み合わせて拡張していくため、最初はとっつきにくいものの、自由度の高さは抜群です。
※BIMモジュール(Arch Workbench):FreeCAD内で建築要素(壁・柱・窓など)を使った設計ができる機能セット。BIM(Building Information Modeling)に対応した設計が可能です。
メリット
完全無料のオープンソース(商用利用も自由)
パラメトリック設計が可能で高精度
建築・機械・解析など多分野に対応
基本情報
商用利用:◯(ライセンス自由)
対応OS:Windows / macOS / Linux
料金:完全無料
建築CG向き度数:★★★☆☆(BIMを使えば◎)
4.Tinkercad|完全初心者でもすぐ使える超シンプルCAD
Tinkercadは、Autodeskが提供する完全無料のブラウザ型3DCADツールです。とにかく操作がシンプルで、ドラッグ&ドロップで形を組み合わせるだけで立体が作れるため、初めて3Dモデリングに触れる人に最適です。
元々は教育用途を意識した設計ですが、インテリアや空間構成のラフスケッチを簡単にビジュアル化するには十分な機能があります。細かいパラメータ操作はできませんが、「とにかく早く3Dで形にしてみたい」「設計のイメージを立体で確認したい」といった目的には強く対応できます。
ファイル出力も対応しており、STL形式での3Dプリント連携も可能です。
メリット
アカウント作成だけですぐに使える
ブロック感覚で直感的にモデリングできる
教育用チュートリアルが充実していて迷わない
基本情報
商用利用:◯(非公式だが、明示的な禁止なし)
対応OS:Windows / macOS(ブラウザ対応)
料金:完全無料
建築CG向き度数:★★★☆☆
5.BricsCAD Shape|建築設計に特化したSketchUp風CAD
BricsCAD Shapeは、建築設計向けに特化した無料の3Dモデリングツールです。操作感はSketchUpに近く、直感的な建物の形状づくりに特化した軽量ツールとして位置づけられています。
壁やドア、窓などのパーツがあらかじめ用意されているため、建物の形や大きさをざっくりと確認したいときにとても便利です。さらに、作成したデータはBricsCAD BIMへスムーズに移行できるため、将来的にBIMを導入する構想がある場合の第一歩としても使えます。
インターフェースは英語のみですが、操作は非常にシンプルで、ドラッグ中心のレイアウト感覚に慣れていれば問題ありません。
メリット
SketchUpのような操作感で建築モデリングが可能
BIMとの連携を前提とした構成でスムーズに発展できる
無料でインストールしてすぐに使える軽量設計
初期から建築要素(壁・窓・床など)が使える
基本情報
商用利用:◯(条件付きでOK)
対応OS:Windows / macOS
料金:完全無料
建築CG向き度数:★★★☆☆(ボリューム検討用途なら◎)
実務を意識して選びたい方へ【有料CADソフト5選】

無料ツールから一歩進んで、実際の現場でも使われているプロ向けのCADソフトを導入したい方に向けて、有料ツールを5つ厳選しました。
導入コストは発生しますが、その分機能性や対応領域が広く、商用利用やプレゼン用途でも安心して使えるものばかりです。将来的に建築設計やインテリアの仕事で使いたい、ポートフォリオの質を高めたいという方は、ぜひ参考にしてください。
実務を意識して選びたい方へ【有料CADソフト5選】
Vectorworks Architect|建築・インテリア業界で広く使われるプロ仕様
SketchUp Pro|商用利用と拡張機能に対応した定番3DCAD
Revit|BIMモデルによる建築設計の業界標準
Cinema 4D|高品質パース・アニメーションに対応したCG特化型
Twinmotion|建築向けリアルタイムレンダリングの新定番
1.Vectorworks Architect|建築・インテリア業界で広く使われるプロ仕様
Vectorworks Architectは、建築・インテリア設計に特化したCAD/BIMソフトで、国内外の建築事務所やデザイン会社で多く導入されています。2D図面と3Dモデルを同一環境で作成・管理できる点が特徴で、プレゼン用のCGパースから実施設計まで一貫して対応可能です。
パース制作においても、建具や家具、照明などの部品ライブラリが充実しており、質の高いビジュアル提案がしやすい環境が整っています。また、日本語対応はもちろん、日本の設計業務に即した機能も多く、初心者から実務へのスムーズな移行が可能です。
学生や教員は教育版を無償で利用できるため、これから業界を目指す方にもおすすめです。
メリット
図面・パース・BIMを1本で完結
建築・インテリア業界での実績が豊富
日本語対応&国内チュートリアルも充実
教育版は学生・教員向けに無償提供あり
基本情報
商用利用:◯(教育版は非商用)
対応OS:Windows / macOS
料金:有償ライセンス制(教育機関向けは無償)
建築CG向き度数:★★★★☆
2.SketchUp Pro|商用利用と拡張機能に対応した定番3DCAD
SketchUp Proは、建築・インテリア分野で長年使われ続けている3Dモデリングソフトの有料版です。無料版(SketchUp Free)の操作性はそのままに、商用利用・拡張機能・高度なファイル入出力に対応しているのが大きな違いです。
プラグインを追加すれば、フォトリアルなレンダリング、BIM対応、構造解析なども可能になり、用途に応じて必要な機能を後から組み込める柔軟さがあります。
また、業務で必要とされるDXF/DWGなどのファイル形式にも対応しており、他の設計ツール(AutoCAD、Cinema 4D、Blenderなど)との連携もスムーズです。建築パースを仕事として扱う場合、SketchUp Proは導入しやすく、最初の一歩として選ばれることが多いソフトです。
メリット
建築CGに特化したビジュアル表現が可能
プロフェッショナル品質のレンダリングとアニメーション機能
他ソフトとのデータ連携もスムーズ(多形式対応)
学生・教育機関向けの割引ライセンスもあり
基本情報
商用利用:◯
対応OS:Windows / macOS
料金:有償(サブスクリプション制・教育版あり)
建築CG向き度数:★★★★★(表現力重視なら最上位)
3.Revit|BIMモデルによる建築設計の業界標準
Revitは、Autodeskが提供するBIM(Building Information Modeling)対応の建築設計ソフトで、構造設計・設備設計・意匠設計を一元化できる業界標準のプラットフォームです。
CADのようなモデリングではなく、「部屋」「壁」「窓」などのパーツを配置する感覚で設計を進められるのが特徴です。そのため、図面と3Dモデルが常に連動し、作業効率や図面の整合性が大幅に向上します。
建築CGパースにおいても、情報付きの3Dモデルをベースにした高品質なレンダリングが可能で、建物全体の提案・プレゼンにも強みがあります。
導入コストや学習負荷はありますが、建築の仕事を本格的に志すなら避けて通れないツールのひとつです。
メリット
BIMベースで設計・図面・パースを一元管理
建築業界での採用率が非常に高い
図面との整合性が自動で保たれる
商業施設や公共建築などの案件にも対応しやすい
基本情報
商用利用:◯
対応OS:Windows
料金:サブスクリプション制(個人/法人)
建築CG向き度数:★★★★☆
4.Cinema 4D|高品質パース・アニメーションに対応したCG特化型
Cinema 4Dは、映像制作やモーショングラフィックスの分野で評価が高い3DCGソフトですが、建築ビジュアライゼーションにも非常に適したツールです。高精度のモデリング、リアルなマテリアル表現、光のシミュレーション、アニメーション制作など、建築CGパースを「作品」として仕上げたい場合に強い効果を発揮します。
特にレンダリング品質が高く、光の反射や影、質感の表現力が圧倒的です。リアルタイムプレビューや高解像度出力にも対応しており、プレゼン資料や映像提案にも適しています。
モデリング機能も柔軟で、他のCADツールで作成したデータの読み込みも可能です。用はやや高めですが、それに見合うだけの表現力とクオリティを求める方には十分おすすめできるソフトです。
メリット
建築CGに特化したビジュアル表現が可能
プロフェッショナル品質のレンダリングとアニメーション機能
他ソフトとのデータ連携もスムーズ(多形式対応)
学生・教育機関向けの割引ライセンスもあり
基本情報
商用利用:◯
対応OS:Windows / macOS
料金:有償(サブスクリプション制・教育版あり)
建築CG向き度数:★★★★★(表現力重視なら最上位)
5.Twinmotion|建築向けリアルタイムレンダリングの新定番
Twinmotionは、建築・都市計画・インテリア分野で利用されているリアルタイムレンダリング特化の3Dビジュアライゼーションツールです。Unreal Engineの技術をベースにしており、操作はドラッグ&ドロップ中心で非常に直感的。CADやBIMで作成したモデルを素早くリアルに仕上げたい場面に最適です。
建築CGパースとしては、静止画だけでなくウォークスルー動画やVR対応の提案資料をすぐに作成できるのが強みです。RevitやSketchUpなどとの連携がスムーズで、モデルをインポートするだけでマテリアル設定やライティングが可能です。
学習コストが低く、短納期・高クオリティのプレゼンを求められるシーンで特に重宝されます。
メリット
高速かつ高品質なリアルタイムレンダリング
SketchUp・Revitなどからのインポートが簡単
建築・都市計画・インテリアに特化した素材が豊富
VR・動画・静止画すべてに対応可能
基本情報
商用利用:◯
対応OS:Windows / macOS
料金:有償(無料試用版あり)
建築CG向き度数:★★★★☆
Twinmotionに関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ

CADソフトには、それぞれに特徴や強みがあり、どれが正解というものはありません。大切なのは、自分の目的やレベルに合ったツールを選び、少しずつ手を動かして慣れていくことです。
まずは無料ツールから気軽に試してみるのも良いですし、早い段階で実務を意識した環境に触れておくのも選択肢の一つです。
建築CGパースは、ソフトだけでなく「伝えたい空間をどう形にするか」が問われる作業です。ツールを味方につけて、自分らしい表現を少しずつ広げていってください。
















