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Blenderとは?| 機能を詳細解説

2025年7月12日
読了時間: 20分

更新日:9月19日


Blenderは、無料で利用できるオープンソースの統合型3DCG制作ソフトです。3Dモデリングをはじめ、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、アニメーション、シミュレーション、コンポジット、動画編集など、3DCG制作に必要な幅広い機能をひとつのソフトに備えています。


Windows、macOS、Linuxに対応し、個人利用だけでなく商用制作にも利用できます。建築CGでは、建物や家具のモデリングから素材や照明の設定、レンダリングまで行えるため、建築パースを制作するための3DCGソフトとしても活用できます。


また、フォトリアルな表現に対応したレンダリングエンジン「Cycles」や、リアルタイムで結果を確認しながら制作できる「EEVEE」を搭載しており、用途に合わせてレンダリング方法を選択できます。


無料でありながら3DCG制作の多くの工程をひとつの環境で行えることから、これから3DCGを始めたい方から、本格的な作品制作を行いたい方まで幅広く利用できます。


CONTENTS



Blenderとは?


Blenderは、3DCG制作に必要な幅広い機能をひとつの環境に備えた、無料・オープンソースの統合型3DCGソフトです。Blender Foundationを中心に開発されており、Windows、macOS、Linuxに対応しています。


Blenderでは、3Dモデルを作成するモデリングをはじめ、スカルプト、リギング、アニメーション、シミュレーション、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、コンポジット、モーショントラッキング、動画編集などを行えます。さらにPython APIを利用したスクリプトやツールの開発にも対応しており、用途に合わせて制作環境を拡張できます。


無料で商用利用もできるオープンソースソフト

Blenderは、GNU General Public License(GPL)のもとで提供されています。ソフト自体を無料で利用できるだけでなく、Blenderを使って制作した画像や映像、3Dモデルなどは制作者自身のもので、商用制作にも利用できます。


そのため、個人で3DCGを学習する場合はもちろん、仕事で建築パースや映像、ゲーム用の3Dアセットなどを制作する場合にも利用できます。


なお、「オープンソースだからライセンス上の制限がない」という意味ではありません。

Blender本体やBlenderのコードを利用したソフトウェアなどにはGPLの条件があります。

一方、Blenderで制作した作品そのものについては、Blender Foundationが制作者自身の所有物であると明記しています。


Blender Foundationを中心に開発

Blenderはもともと、オランダのアニメーションスタジオNeoGeoの社内用3DツールとしてTon Roosendaalによって開発されました。その後、開発会社の事業終了を経て、Blender Foundationが設立され、コミュニティから資金を集める「Free Blender」キャンペーンによってソースコードの権利を取得。BlenderはGNU GPLのもとでオープンソース化されました。


3DCG制作の多くの工程をBlenderだけで行える

Blenderの大きな特徴は、モデリングだけを行うソフトではなく、3DCG制作の一連の工程をひとつのソフトで進められることです。


たとえば建築パースを制作する場合、建物や家具をモデリングし、床や壁などにマテリアルを設定して、照明やカメラを配置します。その後、レンダリングを行い、必要に応じてコンポジットで色や明るさなどを調整するところまでBlender内で行えます。


このように、複数のソフトを用意しなくても3DCG制作を始められることから、これから3DCGを学びたい初心者から、さまざまな工程をひとつの制作環境で行いたいクリエイターまで活用できるソフトです。



Blenderの特徴


Blenderは、モデリングだけでなく、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、アニメーション、シミュレーション、コンポジットなど、3DCG制作に必要な多くの工程をひとつのソフトで行えることが大きな特徴です。さらに、スカルプトや動画編集、Pythonによる機能拡張などにも対応しています。



多彩な方法で3Dモデリングができる

Blenderには、頂点・辺・面を編集して形状を作るメッシュモデリングをはじめ、カーブ、スカルプトなど、さまざまなモデリング機能が用意されています。


基本的な形状を組み合わせるだけでなく、押し出しや面の分割、エッジの編集などを使って細かな形状を作り込むことも可能です。また、UV展開にも対応しているため、作成した3Dモデルに画像テクスチャを割り当てるための準備までBlender内で行えます。


建築CGでは、建物の外観や室内空間、家具、建具などのモデリングに利用できます。


モディファイアーで形状を効率よく編集できる

Blenderには、元の形状を直接変更せずにさまざまな処理を加えられる「モディファイアー」があります。



たとえば、モデルに厚みをつけたり、同じ形状を規則的に複製したり、左右対称のモデルを作成したりといった処理を設定できます。モディファイアーはパラメータを後から調整できるため、形状を確認しながら編集を繰り返すことができます。


Geometry Nodesでプロシージャルな制作ができる

Blenderには、ノードを組み合わせて形状や配置などを制御する「Geometry Nodes(ジオメトリノード)」があります。



Geometry Nodesでは、メッシュやカーブ、ポイントクラウド、ボリューム、インスタンスなどのジオメトリをノードベースで操作できます。


たとえば、同じオブジェクトを一定のルールで繰り返し配置したり、数値を変更して形状や配置のバリエーションを作ったりすることができます。手作業ですべてを配置・編集するのではなく、設定したルールをもとに形状や配置を生成・変更できるのがプロシージャル制作の特徴です。


建築CGでも、窓や外装パーツなどの反復要素、植栽やオブジェクトの配置など、繰り返しの多い作業を効率化する方法として活用できます。


スカルプトにも対応

Blenderには、粘土を削ったり盛ったりするような感覚で3Dモデルを編集できるスカルプト機能も搭載されています。



複数のブラシやマスク、Dynamic Topologyなどを利用でき、キャラクターや生物、岩などの有機的で複雑な形状を作り込むことができます。ポリゴンモデリングとスカルプトを同じソフト内で行えるため、制作工程に応じてモデリング方法を使い分けられます。


用途に合わせて機能を拡張できる

BlenderはPython APIに対応しており、スクリプトやアドオンによって機能を拡張できます。


標準機能だけでも幅広い3DCG制作に対応していますが、必要に応じて制作目的に合った機能を追加できるため、初心者の3DCG制作から、用途に合わせた制作環境の構築まで幅広く対応できることもBlenderの特徴です。



Blenderでできること・主要機能


Blenderでは、3Dモデルを作るモデリングだけでなく、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、アニメーション、シミュレーション、コンポジットまで、3DCG制作の主要な工程をひとつのソフトで行えます。


ここでは、Blenderでできる主な作業を制作工程に沿って紹介します。



モデリング

Blenderでは、建物や家具、プロダクト、キャラクターなど、さまざまな3Dモデルを作成できます。



基本となるメッシュモデリングでは、頂点・辺・面を編集しながら形状を作成します。さらに、カーブやスカルプト、モディファイアー、Geometry Nodesなどを組み合わせることで、シンプルな形状から複雑なモデルまで制作できます。


建築CGでは、建物の外観や室内空間、家具、建具などをモデリングする工程に利用できます。


マテリアル・テクスチャ設定

作成した3Dモデルには、マテリアルを設定して色や質感を表現できます。



Blenderのマテリアルでは、色だけでなく、金属らしさ、表面の粗さ、透明感、凹凸などを設定できます。Shader Editorではノードを組み合わせてマテリアルを構築でき、Principled BSDFを利用してガラス、金属、プラスチック、布などさまざまな質感を表現できます。


建築パースでは、フローリングやコンクリート、ガラス、金属、タイルなど、建材の質感を表現するために使用します。


ライティング

Blenderでは、シーンにライトを配置して光の方向や強さなどを調整できます。



Point、Sun、Spot、Areaなどのライトに加えて、環境光や画像を利用したライティングにも対応しています。建築CGでは、太陽光を使った昼間の外観パースや、照明器具を点灯させた夜景・室内パースなど、時間帯や空間に合わせた光を設定できます。


レンダリング

Blenderには、用途の異なる複数のレンダリングエンジンが搭載されています。



Cyclesは物理ベースのパストレーシングを採用したレンダリングエンジンで、光やマテリアルを計算し、フォトリアルな表現を制作できます。CPUとGPUを利用したレンダリングにも対応しており、建築パースなどリアリティを重視するビジュアルにも活用できます。


一方、EEVEEは速度とインタラクティブ性を重視したリアルタイムレンダリングエンジンです。3Dビューポート上で結果を確認しながら作業でき、最終レンダリングにも利用できます。Cyclesと同じシェーダーノードを利用できるため、マテリアルを確認しながら制作を進める用途にも適しています。


建築ビジュアライゼーションでも、制作中の確認やアニメーションにはEEVEE、フォトリアルな静止画にはCyclesというように、目的に応じて使い分けるワークフローがあります。


アニメーション

Blenderでは、オブジェクトやカメラ、ライトなどに動きを設定できます。



建築CGでは、カメラを移動させながら建物の外観や室内を見せるウォークスルーや、時間の経過に合わせて照明やオブジェクトを変化させるアニメーションなどを制作できます。

キャラクター制作では、骨格となるリグを設定してモデルを動かすこともできるため、静止画だけでなく幅広い3DCGアニメーション制作に対応しています。


シミュレーション

Blenderには、物理現象を再現するためのシミュレーション機能も搭載されています。



煙や炎、液体、布、髪、剛体・軟体などを扱うことができ、手作業だけでは制作が難しい自然な動きや変形を表現できます。シミュレーション関連の機能もBlenderの統合された制作環境に含まれています。


コンポジット

レンダリングした画像は、Blender内のCompositor(コンポジター)を使って仕上げることもできます。



コンポジターはノードベースで処理を組み立てる仕組みになっており、色の調整や画像の合成、フィルター、マスクなどを利用できます。レンダリングから画像の仕上げまでBlender内で進められるため、用途によっては外部の画像編集ソフトへ移動する工程を減らすこともできます。


このようにBlenderは、「モデルを作る → 質感を設定する → 光を設定する → レンダリングする → 仕上げる」という3DCG制作の一連の工程に対応しています。 建築パースでも、モデリングから最終的なビジュアル制作までひとつの環境で進められることが大きな特徴です。



Blenderを建築パース制作で活用する方法


Blenderは、建物や家具のモデリングから、マテリアル、ライティング、レンダリング、画像の仕上げまで行えるため、建築CGパースの制作にも活用できます。 海外の建築ビジュアライゼーション専門サイトでも、CADなどの図面・モデルを利用したモデリング、マテリアル設定、家具配置、CyclesやEEVEEによるレンダリングまでを含む制作事例が紹介されています。



建物や室内空間をモデリングする

建築パース制作では、平面図や立面図などを参考にしながら、建物の外観や室内空間を3Dモデルとして作成します。


Blenderでは、壁や床、天井、窓、ドアなどの基本的な建築要素だけでなく、家具や照明器具、外構などもモデリングできます。モディファイアーやGeometry Nodesなどを組み合わせれば、同じ形状が繰り返される部分や、多数のオブジェクトを配置する作業を効率化することも可能です。


また、すべてをBlenderでモデリングする必要はありません。BlenderはFBX、OBJ、USDなど複数の3Dファイル形式の読み込み・書き出しに対応しているため、ほかのソフトで作成した3DモデルをBlenderへ読み込み、ビジュアライゼーションを行うワークフローも可能です。


実際に海外の建築ビジュアライゼーション事例では、ArchiCADで作成したモデルをFBX形式でBlenderへ移し、Blender側でマテリアルやライティングを設定してCyclesでレンダリングする制作工程も紹介されています。


建材や家具の質感を表現する

建築パースでは、建物の形状だけでなく、床材や壁材、ガラス、金属、木材などの質感をどのように表現するかも重要です。


Blenderでは、ノードベースのマテリアルを利用して、色、粗さ、金属感、透過、凹凸などを設定できます。画像テクスチャやプロシージャルテクスチャも利用できるため、フローリング、コンクリート、タイル、石材など、さまざまな建材の表現に活用できます。


家具やインテリア、小物、植栽などを配置すれば、空間の用途や生活イメージを伝える建築パースを制作することもできます。


自然光や照明を設定する

建築パースの印象は、ライティングによって大きく変わります。


BlenderではSun、Point、Spot、Areaなどのライトや環境光を利用でき、昼間の自然光、夕景、夜景、室内照明など、さまざまな光の環境を表現できます。Cyclesではグローバルイルミネーションや環境光、各種ライトなどに対応しており、光の反射や回り込みを含めたレンダリングが可能です。


同じ建物でも、時間帯や照明条件を変更することで、昼間の外観パースから夕景・夜景まで異なるイメージを制作できます。


Cyclesでフォトリアルな建築パースを制作する

完成イメージをリアルに表現したい場合には、Blenderに搭載されているCyclesを利用できます。


Cyclesは、パストレーシングを採用したBlenderのプロダクション向けレンダリングエンジンです。PBRシェーディング、グローバルイルミネーション、環境光、被写界深度、デノイズなどに対応し、CPUだけでなく対応するGPUを利用したレンダリングも可能です。


建築ビジュアライゼーションでもCyclesは利用されており、海外ではBlenderによるモデリングからGeometry Nodesを使った植栽配置、Cyclesによる最終レンダリングまで行う制作事例も公開されています。


EEVEEでリアルタイムに確認する

Blenderには、リアルタイムレンダリングエンジンのEEVEEも搭載されています。


EEVEEを利用すると、マテリアルやライティングの結果を3Dビューポート上で確認しながら制作を進められます。


海外の建築ビジュアライゼーション事例では、同じプロジェクトでCyclesとEEVEEを使い分け、静止画とアニメーションを制作した例もあります。


このようにBlenderでは、建物のモデリングから素材・照明の設定、レンダリング、仕上げまで、建築パース制作の主要な工程をひとつの環境で進めることができます。 また、ほかの3Dソフトで作成したモデルを取り込んでレンダリングに利用するなど、既存の制作環境と組み合わせることも可能です。



Blenderのメリット・注意点


Blenderは、無料で利用できることに加えて、モデリングからレンダリングまで幅広い工程をひとつの環境で行える3DCGソフトです。一方、多くの機能を備えているため、初めて3DCGソフトを使用する場合には、基本的な操作や3DCG特有の用語を覚える必要があります。



無料で商用利用できる

Blenderの大きなメリットは、ソフトウェアを無料で利用でき、制作した作品を商用利用できることです。


BlenderはGNU General Public License(GPL)のもとで提供されており、個人・企業を問わずさまざまな目的で利用できます。また、Blender公式では、Blenderを使って制作した画像や映像、.blendファイルなどの作品は制作者自身のものであり、商用制作にも利用できることを明記しています。


そのため、これから3DCGを学びたい場合だけでなく、建築パースなどを仕事として制作する場合にも、ソフトウェアの導入費用を抑えて制作環境を整えられます。


ひとつのソフトで幅広い制作工程に対応できる

Blenderは、モデリング、リギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、コンポジット、モーショントラッキング、動画編集など、3DCG制作の幅広い工程をカバーしています。


建築パース制作でも、建物や家具のモデリング、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、画像の調整までをBlender内で進めることができます。


制作内容によっては外部ソフトと組み合わせる必要がありますが、複数の工程をひとつの制作環境にまとめられることは、Blenderのメリットのひとつです。


Windows・macOS・Linuxに対応している

Blenderは、Windows、macOS、Linuxに対応したクロスプラットフォームのソフトウェアです。


特定のOSだけに限定されないため、使用しているパソコンや制作環境に合わせて導入できます。チーム内で異なるOSを使用している場合にも、Blenderを共通の3DCG制作環境として利用できます。


機能を拡張・カスタマイズできる

BlenderではPython APIを利用でき、スクリプトや拡張機能によって制作環境をカスタマイズできます。


標準機能だけで制作することもできますが、作業内容に応じて機能を追加したり、自動化したりできるため、用途に合わせて制作環境を構築できます。



初心者は操作や専門用語を覚える必要がある

Blenderは多機能である一方、初めて使用するときには、画面構成や操作方法、3DCG特有の概念を覚える必要があります。


たとえば、メッシュ、UV、マテリアル、シェーダー、モディファイアー、レンダリングなど、3DCG制作ではさまざまな専門用語が登場します。


最初からすべての機能を覚えるのではなく、建築パースであれば「モデリング → マテリアル → ライティング → カメラ → レンダリング」のように、制作目的に必要な機能から順番に習得していく方法が取り組みやすいでしょう。


外部ソフトとの連携ではデータの確認が必要

Blenderはさまざまな制作パイプラインに組み込めますが、ほかのCAD・BIM・3DCGソフトとデータをやり取りする場合には、使用するファイル形式や受け渡せる情報を事前に確認することが重要です。


海外の建築ビジュアライゼーションでも、Blenderでモデルを制作してFBX経由でUnreal Engineへ渡すなど、複数のソフトを組み合わせたワークフローが利用されています。


ソフト間ではマテリアルやライトなどの情報が完全に再現されるとは限らないため、Blenderだけで制作を完結しない場合は、実際の制作環境に合わせてデータ連携方法を確認しておきましょう。


Blenderは、無料で導入できること、商用利用できること、3DCG制作の幅広い工程に対応できることが大きなメリットです。一方、多機能だからこそ、初心者は目的に必要な機能から段階的に覚えていくことが重要です。



Blenderはどんな人に向いている?


Blenderは、無料で始められるだけでなく、モデリング、マテリアル、レンダリング、アニメーション、VFX、動画編集など幅広い機能を備えています。そのため、3DCG初心者から建築ビジュアライゼーション、映像・アニメーション、ゲーム用アセット制作など、さまざまな目的で利用できます。



これから3DCGを始めたい人

Blenderは、これから3DCG制作を始めたい人にも選択肢のひとつです。


ソフトウェアを無料で利用できるため、3DCGを学ぶために高額なソフトを最初から購入する必要がありません。基本的なモデリングからマテリアル、ライティング、レンダリングまでひとつのソフトで学べるため、3DCG制作の一連の流れを経験できます。


一方で、多くの機能を備えているため、最初からすべてを覚えようとすると難しく感じる場合があります。


建築パースを制作したい人

Blenderは、建築パースを制作したい人にも活用できます。


建物や室内のモデリング、家具や植栽の配置、建材のマテリアル設定、ライティング、カメラ設定、レンダリングまで対応しているため、外観・内観の建築CG制作をひとつの環境で進められます。


海外では建築分野を対象としたBlenderの専門的な学習コンテンツも提供されており、建築モデリング、Geometry Nodes、マテリアル、レンダリング、ポストプロセスなどを組み合わせたワークフローが紹介されています。


特に、建築CGを始めたいものの、3DCGソフトの導入費用をできるだけ抑えたい人にとって検討しやすいソフトです。


モデリングからレンダリングまでひとつのソフトで行いたい人

Blenderは、複数の制作工程をひとつの環境にまとめたい人にも向いています。


3Dモデルを作成した後、そのままマテリアルやライトを設定し、CyclesやEEVEEでレンダリングできます。さらに、アニメーションやシミュレーション、コンポジットなどにも対応しているため、用途によっては複数のソフトを切り替える工程を減らすことができます。


自分の制作環境をカスタマイズしたい人

Blenderは、制作目的に合わせて機能や操作環境をカスタマイズしたい人にも適しています。


Python APIによるスクリプティングに対応しており、処理の自動化や独自ツールの作成が可能です。また、インターフェースのレイアウトやショートカットなどもカスタマイズできます。


そのため、最初は標準機能で制作を始め、必要に応じて自分のワークフローに合わせた環境へ発展させることができます。


学習情報やコミュニティを活用しながら学びたい人

Blenderには公式マニュアルやチュートリアルに加え、世界各地のユーザーによる大規模なコミュニティがあります。公式サイトではBlender Artists、Blender Stack Exchangeなどのコミュニティが案内されており、公式マニュアルも継続的に更新されています。


海外にも初心者向けから建築、モデリング、アニメーション、ゲーム制作などに特化した学習コンテンツがあり、目的に合わせて学習情報を探しながら習得したい人にも利用しやすい環境が整っています。


Blenderは特に、「無料で3DCGを始めたい」「建築パースを制作したい」「モデリングからレンダリングまで幅広く学びたい」「将来的に制作環境を拡張したい」という人に適した選択肢です。



Blenderに関するよくある質問


ここでは、Blenderをこれから使い始める人や、建築パース制作への導入を検討している人が気になりやすいポイントをまとめます。Blender公式のシステム要件・マニュアルに加え、海外のBlender学習サイトの情報も確認しています。


Q.Blenderは本当に無料で使えますか?

はい。BlenderはGNU GPLのもとで公開されている、無料のオープンソースソフトウェアです。


個人での学習だけでなく仕事にも利用でき、Blenderで制作した画像や映像などの作品を商用利用することもできます。ただし、Blender本体やソースコードを再配布・改変する場合にはGPLの条件が適用されるため、「ライセンス上の制限が一切ない」という意味ではありません。


Q.Blenderは初心者でも使えますか?

Blenderは初心者でも利用できます。ただし、モデリング、マテリアル、ライティング、レンダリング、アニメーションなど非常に多くの機能を備えているため、最初からすべてを覚える必要はありません。


海外のBlender学習サイトCG Cookieでも、初心者向けの学習ではモデリング、ライティング、マテリアル、テクスチャ、アニメーションなどを段階的に習得するカリキュラムが採用されています。


建築パースを目的とする場合は、まず基本操作とモデリングを覚え、その後「マテリアル → ライティング → カメラ → レンダリング」と必要な工程を順番に学ぶと理解しやすいでしょう。


Q.Blenderでフォトリアルな建築パースは作れますか?

はい。Blenderにはパストレーシング方式のレンダリングエンジン「Cycles」が搭載されており、光の反射やマテリアルなどを計算したフォトリアルなレンダリングが可能です。


また、リアルタイムレンダリングに対応するEEVEEも搭載されています。海外のBlender解説でも、EEVEEはリアルタイム性を生かした高速なレンダリング、Cyclesは光をより現実的に計算するレンダリングエンジンとして使い分けられています。


Q.BlenderはWindowsとMacの両方で使えますか?

はい。BlenderはWindows、macOS、Linuxに対応しています。


ただし、対応するOSのバージョンやCPU、GPUなどのシステム要件はBlenderの更新に伴って変わることがあります。そのため、実際にインストールする際には、Blender公式サイトの最新のシステム要件を確認してください。


※ここは今回の記事をバージョン非依存にするため、具体的なOSバージョンやCPU・GPU世代を本文には固定しない方が安全です。


Q.Blenderはほかの3DCGソフトとデータをやり取りできますか?

はい。Blenderは、FBX、OBJ、USD、Alembic、STLなど複数のファイル形式のインポート・エクスポートに対応しています。


FBXはMaya、3ds Max、Cinema 4Dなどでも利用されている3Dデータ交換形式で、Blender公式マニュアルでもこれらのソフトとのデータ交換に広く利用されている形式として説明されています。


ただし、異なるソフト間ではマテリアルやライト、モディファイアーなどBlender固有の設定がそのまま再現されるとは限りません。ほかのソフトと連携する場合は、使用するファイル形式と引き継げる情報を事前に確認しておきましょう。


Q.Blenderを使うには高性能なパソコンが必要ですか?

Blender自体には公式の最低動作環境が設定されているため、必ずしも最高性能のパソコンが必要というわけではありません。一方、大規模な3Dモデルや高解像度テクスチャ、Cyclesによる高品質なレンダリングなどでは、CPU・GPU・メモリなどの性能が作業効率に影響します。


Blender公式も最低要件とは別に推奨環境を提示しており、CyclesでGPUレンダリングを行う場合にはGPUごとの要件も設けています。


そのため、建築パース制作を目的にパソコンを選ぶ場合は、「Blenderが起動するか」だけでなく、扱うシーンの規模やレンダリング方法まで考えて必要なスペックを検討することが重要です。



まとめ


Blenderは、無料で利用できるオープンソースの統合型3DCG制作ソフトです。モデリングをはじめ、マテリアル設定、ライティング、レンダリング、アニメーション、シミュレーション、コンポジットなど、3DCG制作に必要な幅広い機能をひとつの環境に備えています。


建築パース制作では、建物や家具のモデリングから建材の質感設定、照明やカメラの調整、最終的なレンダリングまで一連の工程に活用できます。フォトリアルな表現に対応する「Cycles」と、リアルタイムで結果を確認しながら制作できる「EEVEE」を用途に応じて使い分けられる点も特徴です。


また、Windows、macOS、Linuxに対応し、商用制作にも利用できます。Pythonによる機能拡張やさまざまなファイル形式とのデータ連携にも対応しているため、目的に合わせた制作環境を構築することも可能です。


一方で、多くの機能を備えているため、初めて3DCGに触れる場合はすべてを一度に覚えるのではなく、モデリング、マテリアル、ライティング、レンダリングなど、制作目的に必要な機能から順番に習得していくとよいでしょう。


Blenderは、これから3DCGを学びたい人はもちろん、導入コストを抑えて建築パースを制作したい人や、モデリングからレンダリングまで幅広い工程をひとつのソフトで行いたい人にも活用しやすい3DCGソフトです。




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