Twinmotion初心者ガイド|できること・主な機能をわかりやすく解説
- KIMURA Tetsuya
- 6月29日
- 読了時間: 12分
更新日:7月12日

建築パースや都市計画、インテリアデザインにおいて、完成イメージを「すぐに」可視化するニーズは年々高まっています。
そんな中で注目を集めているのが、リアルタイムビジュアライゼーションソフト Twinmotion(ツインモーション) です。
Epic Gamesが提供するTwinmotionは、3Dモデルにリアルなライティングや環境を加え、数分で高品質な建築パースや動画を出力できるのが最大の特長。特別なCGスキルがなくても扱える操作性から、建築・土木・造園分野を中心に世界中で導入が進んでいます。
2025年現在では、ボリューメトリック雲や構成の切り替え機能などが強化され、よりリアルで柔軟なプレゼンテーションが可能に。VRやインタラクティブ表示にも対応しており、施主や関係者との合意形成をサポートする強力なツールとしても注目されています。
この記事では、Twinmotionの基本機能から活用事例までを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
「SketchUpで建物モデルは作れるけど、伝わるビジュアルが作れない…」と悩んでいる方にもおすすめの内容です。
建築デザインの表現力を、次のステージへ引き上げてみませんか?
Twinmotionとは?

Twinmotion(ツインモーション) は、建築・都市計画・インテリアなどの分野で活用されているリアルタイムビジュアライゼーションツールです。Epic Games社が開発しており、Unreal Engineをベースにしながらも、専門的な知識がなくても扱いやすいのが特長です。
3Dモデリングソフト(例:SketchUp、Revit、Rhinoなど)で作成した建築モデルを取り込み、わずか数クリックでリアルな光・影・反射を加えた静止画やアニメーションを出力できます。
直感的なインターフェースで初心者でもすぐ使える
天候、季節、時間帯をスライダーで変更できる
建物に人や車、植栽などをドラッグ&ドロップで配置可能
Twinmotionは建築パースのプレゼン資料制作や、クライアントとの打ち合わせ・確認にも最適なツールとして高く評価されています。
わかりやすく伝えるビジュアルを、スピーディに、そして印象的に上げたい人にぴったりのソフトです。
Twinmotionの価格とライセンス

個人利用(非商用) | 無料 |
商用利用ライセンス | 年額 約13,200円(税込) |
※2025年6月時点(Epic公式サイトより)
Twinmotion(ツインモーション) は、機能制限なしで使える無料プランがあるため、初心者でも気軽に試せます。商用で使いたい場合でも価格は比較的リーズナブルで、他の3Dビジュアライゼーションソフトと比べても導入ハードルは低めです。
Twinmotionでできること

Twinmotionは、建築モデルをリアルに見せるための演出機能が非常に豊富です。しかも、どれも操作は直感的。専門知識がなくても、完成度の高いパースや映像を短時間で作成できます。
代表的な機能を5つ紹介します。
時間帯・天候の調整
素材(マテリアル)の適用
人物・車・植栽などの配置
アニメーションとウォークスルーの作成
VR(バーチャルリアリティ)対応
1. 時間帯・天候の調整

スライダーを動かすだけで、朝・昼・夕方・夜の雰囲気を即座に再現できます。晴れ・曇り・雨・雪といった天候の切り替えや、季節(夏・秋・冬・春)ごとの表現も可能です。

アンビエンス設定では、Env(Environment)タブを使って、時間帯や天候、霧、ボリューメトリック雲などを直感的に調整できます。スライダーを動かすだけで、昼間から夜景、快晴から雨、霧の濃度などがリアルタイムに変化するので、シーンに理想的な雰囲気を即座に反映できます。設定後は画像やアニメーションにメディアとして書き出すことも可能です。
2. 素材(マテリアル)の適用

Twinmotionでは、建物やオブジェクトにリアルな質感のマテリアルを簡単に適用できます。

壁・床・家具などのパーツに、現実的なテクスチャをドラッグ&ドロップで割り当てるだけ。コンクリート・木材・ガラス・金属・水面・草・布など、数百種類のマテリアルがプリセットとして用意されており、初心者でもすぐにクオリティの高い表現が可能です。
各マテリアルは、色・粗さ・光沢・バンプ(凹凸)などを細かくカスタマイズでき、好みに応じた仕上がりに調整可能です。また、草や水など一部のマテリアルにはアニメーション表現(風でなびく草、水面のゆらぎ)も組み込まれており、静止画だけでなく動画でもリアルな表現ができます。
3. 人物・車・植栽などの配置

Twinmotionのライブラリには「Vegetation(木・草・花)」や「Characters(人物)」「Vehicles(車両)」「Animals(動物)」などが揃っており、それぞれドラッグ&ドロップでシーンに配置可能です。
さらに、これらは“スマートアセット”として扱われ、風に揺れる草、季節ごとの葉の色変化、歩行や車両の動きなどをリアルタイムに反映できる仕様です。
4. アニメーションとウォークスルーの作成
TwinmotionではAnimatorツールやタイムラインパネルを使って、人物の動きや車両のルート、カメラの移動軌跡などを自由にアニメーション化できます。
ウォークスルー動画を作成し、建物の外観紹介や内観ツアーとして利用すれば、クライアントへのプレゼンにも効果的です。
5. VR(バーチャルリアリティ)対応
VRヘッドセットと組み合わせることで、スケールそのままに“空間体験”が可能です。
TwinmotionはMeta Questや他のVRヘッドセットに対応しており、F12キーやビューからVRモードに切り替えることで、没入型プレゼンが行えます 。
Teleport機能付きのシームレスなナビゲーションが可能で、VR空間内で視点移動や操作ができるため、空間の距離感や広がりをリアルに体感できます 。
Twinmotionの主な機能と特徴

Twinmotionは、シンプルなUIと高性能な描画エンジンを併せ持ち、建築パースの制作効率を飛躍的に高めてくれるツールです。ここでは、実務でも役立つ主な機能を少し技術寄りに解説します。
Unreal Engineベースのリアルタイムレンダリング
Twinmotionは、Epic GamesのUnreal Engineをベースに開発されており、建築モデルをリアルタイムで高品質に描画できます。光の反射や影の表現、マテリアルの質感も自然で美しく、静止画・動画のどちらでもプロレベルのアウトプットが可能です。
ワンクリックで360°パノラマや動画出力
静止画だけでなく、360°パノラマ、ウォークスルー動画、さらにはプレゼンテーション用のインタラクティブビューまで、ワンクリックで出力できます。手間のかかる設定やレンダリング待ちの時間を大幅に削減できます。
直感的なドラッグ&ドロップ操作
人物、車両、植栽、家具などの豊富なライブラリを完備しており、配置やカスタマイズはすべてドラッグ&ドロップで完了。しかもリアルタイムで変化を確認できるので、初心者でも試行錯誤しやすい設計になっています。
複数フォーマット対応で他ソフトと連携しやすい
SketchUp、Revit、Rhino、ARCHICAD、FBXなど、さまざまな3Dファイル形式に対応。主流の設計ツールからTwinmotionへのスムーズなデータ移行が可能です。特にRevitやARCHICADとはライブリンク機能でリアルタイム連携も可能です。
高速レンダリングと軽量動作
他の高性能レンダラーと比べ、処理が非常に軽く、高速で出力できるのも魅力の一つ。重い設定や複雑な調整なしでも十分に美しいパースが得られるため、短納期案件にも向いています。
Twinmotionを使うメリットとデメリット

建築パース制作においてTwinmotionが選ばれる理由は、その手軽さとリアルな表現力にあります。ただし、すべての用途やユーザーにとって万能というわけではありません。ここでは、Twinmotionを導入するうえで知っておきたい「メリット」と「デメリット」を整理してみましょう。
Twinmotionを使うメリット
1.操作がシンプルでとっつきやすい
複雑なノード設定や専門的な用語に悩まされることなく、マテリアルの変更・ライティングの調整などが直感的に行えます。3DCG未経験の方でも、チュートリアルを数本見るだけで基本操作を身につけられる手軽さが魅力です。
また、Epic Gamesアカウントがあればすぐにインストールでき、PlayStation NetworkやXboxアカウント、ニンテンドーアカウントを使ってサインインすることも可能。ゲーム経験がある方なら導入もスムーズに進むでしょう。
2.リアルタイムで確認できる
Twinmotionの最大の特徴は、変更結果が即座に画面に反映される点。建物の光の当たり方や素材の質感などを、リアルタイムで試行錯誤できます。
3.動画・360度パノラマもワンクリックで出力可能
プレゼンテーションやWeb用の資料作成にも対応。面倒な設定は不要で、視覚効果の高い成果物がスピーディに作成できます。
4.無料で始められる
現在は基本的に無料で利用可能(※商用利用には条件あり)。3Dパースに挑戦してみたい建築初心者にも敷居が低く、導入ハードルは非常に低いです。
Twinmotionを使うデメリット
1.細かい演出や物理演算は苦手
Twinmotionはレンダリング品質よりも操作性を優先しているため、光の屈折や被写界深度、質感表現などにおいて他ソフト(例:V-RayやEnscape)より劣る部分があります。
2.オブジェクトやライブラリに独自性が出にくい
搭載されている素材・人物・車両の種類には限りがあり、プロジェクトが増えると「いつも同じ雰囲気になる」傾向も。外部素材との併用や工夫が必要です。
3.重いデータにはやや不安定なことも
建築モデルが大規模化したり、高解像度テクスチャや複雑な植栽を大量に使った場合、プレビューや出力中に動作が重くなったり、クラッシュするケースもあります。
また、導入時点でもEpic Games LauncherやUnreal Engineの起動に時間がかかるため、低スペックのPCだと操作にストレスを感じる場面も。無料とはいえ、ある程度のグラフィック性能を備えたPC環境が前提となります。
Twinmotionはこんな人におすすめ

Twinmotionは、リアルタイムで建築モデルを視覚化できる高機能ツールでありながら、操作性にも優れています。以下のような方に特におすすめです。
建築・インテリアを学び始めた初心者に
直感的な操作が可能で、マテリアルやライティングの変更もドラッグ&ドロップで完結。3Dソフト未経験者でも扱いやすく、チュートリアルも充実しています。
クライアントプレゼンを強化したいデザイナーに
静止画だけでなく、アニメーションやVRコンテンツの出力も可能。プレゼン資料のクオリティと説得力を高められます。
他ソフトの補完としてビジュアル強化したい人に
他のソフトとの違い(Twinmotion vs 他の建築ビジュアライゼーションツール)
Twinmotionは、建築や都市計画、景観設計におけるビジュアライゼーションツールの中でも、特に"リアルタイム"に強みを持つソフトです。ここでは、代表的なツールと比較しながら、その立ち位置を整理します。
Twinmotion vs Lumion
どちらもリアルタイムレンダリングを得意としていますが、Twinmotionは操作性がより直感的で、Unreal Engineベースの滑らかなナビゲーションが特徴。
Lumionの方が演出(動画や雨・風の演出など)に強く、表現の幅が広い一方、Twinmotionは比較的軽量で、低スペックマシンでも扱いやすいという利点があります。
Twinmotion vs Unreal Engine(UE)
TwinmotionはUnreal Engineの簡易版とも言える位置づけで、UEのビジュアルクオリティを維持しつつ、ノーコードで扱える操作性が魅力です。
一方で、細かい制御や独自のカスタマイズが必要なプロ用途では、Unreal Engineの方が上位互換になります。
Twinmotionは、学習コストと表現力のバランスが取れた中間的なポジションにあるため、初心者〜中級者に特におすすめです。
無料で始める!Twinmotionダウンロード&インストール手順
「Twinmotionが気になるけれど、どう始めればいいかわからない」という方も多いはず。ここでは、完全無料でTwinmotionを使い始めるまでの手順を、初めての方にもわかりやすく解説します。実際に使ってみたい方は、まず以下のステップを順に進めてみましょう。
1. 利用条件の確認
Twinmotionは、過去12カ月の収益が100万ドル未満の個人、学生、教育機関や中小企業であれば無料で利用できます。こちらはすべての機能とアップデートへのアクセスが含まれます。
2. Epic Games アカウントを作成/ログイン
Twinmotion日本語公式サイトの右上にある「サインイン」ボタンをクリック
すでにEpic Gamesアカウントがあればログイン、なければ「ダウンロード」で登録

現時点(2025年6月時点)では、以下のアカウントでEpic Gamesにログインできます。ゲームを日常的に利用している方であれば、すでにいずれかのアカウントをお持ちの可能性があり、すぐにTwinmotionのインストールに進めます。
Google
Steam
MyDisney(マイディズニー)アカウント
Apple ID
Facebook
レゴ® アカウント
Autodesk
PlayStation™Network
Xbox ネットワーク
ニンテンドーアカウント
3. Epic Games Launcherを入手
「ランチャー」は、Twinmotionなどのソフトをダウンロード・インストール・起動するための管理アプリ(Epic Gamesが提供)です。ゲームやソフトの本体を操作する“入り口”のようなもので、Twinmotionを使うには必ずこのランチャーを通じて操作する必要があります。
Japanese公式ページから「ランチャーをダウンロード」をクリック
ダウンロードしたインストーラーを実行し、WindowsまたはmacOSにインストール
インストール後、Epic Games Launcherを起動、再度ログイン(初回起動時に更新される場合あり)


4. Twinmotionをダウンロード
ランチャーの左メニューから「Unreal Engine」→「Twinmotion」タブを選択
表示された最新バージョン(例えば「Twinmotion 2025.1」など)を確認し、「インストール」をクリック
ダウンロードとインストールが自動で進行し、完了後に「起動」ボタンが表示されます。

まとめ

Twinmotionは、誰でも手軽に扱えるリアルタイムビジュアライゼーションツールとして、建築パース制作の効率を大きく向上させてくれます。
Unreal Engine譲りの高品質なグラフィック、直感的な操作、そして手頃な価格(基本無料)という3拍子がそろっており、これからパース制作に取り組む人にもぴったりです。
特に「設計の意図を視覚的に伝える」ためのツールとして、他のソフトと併用することで、より豊かな表現が可能になります。
まだ使ったことがない方も、まずは無料版を試してみることで、Twinmotionのパワーと手軽さを実感できるはずです。