top of page
itoki-syoji.png
家具のバナー.png
okamura.png

建築パースのレンダリングとは? 役割と特徴

2024年1月9日
読了時間: 9分

更新日:9月28日


建築パースについて調べていると、「レンダリング」という言葉を目にすることがあります。レンダリングは、3Dモデルにマテリアルやライティングなどの情報を設定し、最終的な画像や映像として表現するための重要な工程です。


建築パース制作では、建物の形状を立体化するだけでなく、素材の質感や光の当たり方、陰影、反射などを表現することで、完成後の建築物や空間をよりリアルに伝えることができます。


この記事では、レンダリングの基本的な意味から、3DCGや建築パース制作における役割と特徴、リアルタイムレンダリングまでわかりやすく解説します。


CONTENTS



レンダリングとは?


レンダリングとは、3Dモデリングで作成した立体的なデータに、素材の質感や色、光、影、反射などを設定し、画像や映像として仕上げる工程のことです。


建築CGパースを制作する際は、まず建物の形状や窓、ドアなどを3D空間上に作成する「3Dモデリング」を行います。しかし、モデリングしただけの状態では、建物の形は確認できても、実際の建物のような質感や光、影などは十分に表現されていません。


そこで行うのがレンダリングです。外壁にコンクリートや木材などの質感を与えたり、窓ガラスへの映り込みを表現したり、太陽光や照明による明るさや影を設定したりすることで、完成後の建物や空間をイメージしやすいビジュアルへと仕上げていきます。


レンダリングでは、主に次のような要素を設定・調整します。

項目

内容

マテリアル・テクスチャ

木材、コンクリート、金属、ガラスなどの色や質感

ライティング

太陽光や室内照明などの光の強さや方向

陰影

建物や家具などに生じる光と影

反射・透過

ガラスや金属、水面などの映り込みや透明感

周辺環境

空や植栽、地面など、建物を取り巻く環境


マテリアル・テクスチャ

マテリアルとは、3Dモデルの表面に「どのような素材なのか」という性質を与えるための設定です。たとえば、同じ形の壁でも、木材にするのか、コンクリートにするのか、金属にするのかによって見た目の印象は大きく変わります。

テクスチャは、木目や石目、表面の細かな凹凸などを画像やデータによって表現するものです。マテリアルとテクスチャを組み合わせることで、素材ごとの色や模様、光沢、粗さなどを表現し、3Dモデルをより現実の建物に近い質感へ仕上げることができます。


ライティング

ライティングとは、3D空間の中に光を設定することです。建築CGパースでは、太陽光のような自然光だけでなく、室内の照明や間接照明など、さまざまな光を設定します。

光の方向や強さ、色などによって、同じ建物や室内でも印象は大きく変化します。たとえば、昼間の明るく開放的な空間を表現したり、夕方のやわらかな光で落ち着いた雰囲気を演出したりすることができます。


陰影

光が当たる場所には明るい部分が生まれ、その反対側には影ができます。レンダリングでは、この光と影の関係を計算することで、建物や家具などの立体感や奥行きを表現します。

影の濃さやぼけ方なども、パースの印象を左右する要素です。自然な陰影が加わることで、平面的に見えていた3Dモデルにも立体感が生まれ、より現実の空間に近い表現になります。


反射・透過

現実の世界では、ガラスに周囲の景色が映ったり、水面が光を反射したり、透明なガラスを通して室内が見えたりします。レンダリングでは、こうした光の反射や透過も計算して表現します。

特にガラスや金属、水などは、反射や透過の設定によって見え方が大きく変わります。素材に合わせて適切に設定することで、建築CGパースのリアリティを高めることができます。


周辺環境

建築CGパースでは、建物そのものだけでなく、その周囲にある環境も重要です。空や地面、植栽などを加えることで、建物が「どのような場所に建っているのか」を具体的にイメージしやすくなります。

また、晴天や曇天、昼や夕方といった環境の違いは、建物に当たる光やパース全体の雰囲気にも影響します。建物と周辺環境を一体として表現することで、完成後のイメージをよりわかりやすく伝えられます。


建築CGパースは、一般的に「設計・図面作成 → 3Dモデリング → レンダリング・仕上げ → 完成」という流れで制作されます。



初心者の方は、3Dモデリングが「建物の形を作る工程」、レンダリングが「作った3Dモデルを、完成イメージとして見える状態に仕上げる工程」と考えるとわかりやすいでしょう。



3DCG業界におけるレンダリングとは?


3DCG業界におけるレンダリングとは、3D空間に作成したモデルやマテリアル、照明、カメラなどの情報をもとに計算を行い、最終的な画像や映像として出力する工程です。


3DCG制作では、最初から完成した画像を作るわけではありません。まず建物や家具、人物などの形状をモデリングし、表面に色や素材の質感を設定します。さらに照明やカメラを配置し、それらの情報をもとにレンダリングを行うことで、光や影、反射、透明感、素材の質感などが表現されたビジュアルが完成します。


一般的な3DCG制作は、次のような流れで進みます。



モデリング → マテリアル・テクスチャ設定 → ライティング → カメラ設定 → レンダリング → レタッチ

レンダリングは、それまでに設定したさまざまな3Dデータを、最終的に人が見ることのできる画像や映像へ変換する重要な工程です。


たとえば同じ3Dモデルでも、照明の方向や強さ、素材の反射率、カメラの位置、レンダリング方法などによって、完成したビジュアルの印象は大きく変わります。そのため、単に画像を書き出すだけではなく、作品のリアリティや雰囲気、見せ方を左右する工程でもあります。


3DCGのレンダリングに使用される主なソフト

3DCG制作では、モデリングからレンダリングまで一つのソフトで行う場合もあれば、3DCGソフトと専用の「レンダラー(レンダリングエンジン)」を組み合わせて使用する場合もあります。


たとえばBlenderには「Cycles」や「EEVEE」といったレンダリングエンジンが搭載されており、モデリングからレンダリングまで一つのソフト内で行えます。一方、3ds MaxやCinema 4Dなどでは、用途や求める表現に応じてV-RayやCorona、Redshiftなどのレンダラーを組み合わせることもあります。

代表的な3DCGソフト・レンダラーには、次のようなものがあります。

ソフト・レンダラー

種類

主な特徴

3DCGソフト

無料で利用できるオープンソースの3DCGソフト。モデリング、アニメーション、レンダリングなど幅広い制作に対応

3DCGソフト

建築ビジュアライゼーションやゲーム、映像制作などで利用される3DCGソフト

3DCGソフト

映画、VFX、アニメーション、ゲームなどの制作で広く利用される3DCGソフト

3DCGソフト

3DCG制作に加え、モーショングラフィックスやビジュアライゼーションなどにも利用される

レンダラー

光や素材をリアルに表現できるレンダラー。建築ビジュアライゼーションをはじめ幅広い分野で利用される

レンダラー

フォトリアルな表現を得意とし、特に建築ビジュアライゼーションで利用されている

レンダラー

物理ベースのレンダリングに対応し、映画やVFX、アニメーションなどでも利用される

レンダラー

GPUを活用した高速なレンダリングを特徴とし、映像やモーショングラフィックスなど幅広い制作に利用される

このように、3DCGのレンダリングにはさまざまなソフトやレンダラーがあり、制作するビジュアルの種類や求める品質、レンダリング速度、制作環境などに応じて使い分けられています。


建築分野でもレンダリングは重要な工程のひとつです。次の章では、建築パース制作におけるレンダリングの役割について、さらに詳しく見ていきましょう。



建築パース制作におけるレンダリングとは?


建築パース制作におけるレンダリングは、建物や周辺環境のデザインをクライアントや関係者にリアルに伝えるための不可欠なプロセスです。

3DCGの一環として建築モデルを作成し、そのモデルに色彩、質感、光の当たり具合などを調整してリアリティを高める過程です。


建築パース制作におけるレンダリングは、3DCGにおけるものと基本的なプロセスはほぼ同じです。

まず、設計図をもとに形状を立体化し(モデリング)、タイルや木などの質感を設定し(マテリアル)、光を当てて(ライティング)2次元の画像にレンダリングします。

出来上がった画像は、日本では「パース」「建築CG」「建築パース」と呼ばれ、海外では単に「レンダリング」とも呼ばれることがあります。

また、レンダリングを行う際には、その用途によって書き出す画像のピクセルサイズが重要です。

用途に合わせた適切なピクセルサイズを選ぶことで、クライアントや関係者に対してより鮮明で詳細な情報を提供でき、建築デザインの特徴や美しさがより明確に伝わるでしょう。



リアルタイムレンダリングとは

リアルタイムレンダリングとは、3Dデータから画像を高速に生成し、操作や変更した内容をほぼリアルタイムで画面に反映するレンダリング方式です。


あらかじめ時間をかけて高品質な画像や映像を生成する「プリレンダリング」と異なり、リアルタイムレンダリングでは、カメラの移動や視点の変更、照明・素材の調整などに合わせて、その場で映像を描画します。


リアルタイムレンダリングでは、主にGPU(Graphics Processing Unit)の高い並列処理能力を活用して、大量の描画処理を高速に行います。そのため、ゲームやVR・AR、シミュレーションのほか、建築・インテリアのビジュアライゼーションなど、ユーザーの操作に応じて画面を変化させる用途で広く活用されています。


建築分野では、建物の周囲を自由に移動したり、室内を歩いているような視点で空間を確認したりできるほか、素材や照明などを変更しながら完成イメージを確認することもできます。設計段階で空間を直感的に把握しやすいことも、リアルタイムレンダリングの大きな特徴です。


一方、映画や広告など、1枚または1フレームごとの品質を重視する制作では、時間をかけて光の反射や影、質感などを計算するプリレンダリング(オフラインレンダリング)も利用されています。


近年はGPU性能やレンダリング技術の向上により、リアルタイムでも高品質な光や反射、影などを表現できるようになっています。そのため、「リアルタイムレンダリングは画質が低く、プリレンダリングは高画質」と単純に分けるのではなく、求める品質や処理速度、用途に応じて使い分けることが重要です。



まとめ


レンダリングとは、3Dモデルやマテリアル、照明、カメラなどの情報をもとに計算を行い、最終的な画像や映像として出力する工程です。


建築CGパースでは、建物の形状だけでなく、素材の質感や光の入り方、影、反射、植栽、人物などをレンダリングによって表現することで、完成後の建築空間をより具体的にイメージできるようになります。


また、レンダリングには、時間をかけて高品質な画像や映像を生成するプリレンダリングのほか、操作や変更をすぐに画面へ反映できるリアルタイムレンダリングがあります。近年ではGPUやソフトウェアの進化によって、リアルタイムでも高品質な建築ビジュアライゼーションを制作できるようになっています。


建築CGパースのクオリティを高めるには、レンダリングだけでなく、モデリング、マテリアル・テクスチャ、ライティング、カメラ設定など、それぞれの工程を適切に組み合わせることが重要です。


レンダリングの基本的な仕組みや役割を理解し、制作する建築パースの目的に合わせて適切な手法やソフトを活用していきましょう。

【求人】ユニティは

​仲間を探しています!

ユニティバナー 縦400_800.png

デザイナーに役立つインテリア・建材メーカー

bottom of page