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【Photoshopテクニック】時間や天気を自在に変更する方法


通常の外観パースに飽きたことはありませんか?

晴天の昼間に光り輝く建物も美しいですが、時には夕景や雨、雪の中での建築物の表現が、新たな魅力を引き出すことがあります。


海外の建築サイトで雨や雪の中で描かれた建築のパースを見た時、自分でも試してみたいと思ったことはありませんか?


通常のパースは晴天の昼間を想定していますが、今回の記事では、夕景のパース、雨や雪の中の情景にレタッチするPhotoshopテクニックをご紹介します。

時間や天候を自在に変更できるようになると、建築CGの表現力を一層引き立てることができます。

ぜひ、実際に手を動かしてみて、新しい表現の幅を広げてみてください。



1. 夕景パースを作成し、レタッチする

昼間の外部シーンをベースにして夕景の建築パースを手掛けてみましょう。

建築物が夕日に照らされる時間帯は、迫力のある表現を可能にします。

夜景では細かいディテールが見えにくくなるため、特別な理由がない限り、夕景にすることをおすすめします。

昼間のパースをPhotoshopで開きます。

ここでは、レイヤーを

① 背景(空)

② 建物・フェンス・道路

③ 建物の後の木

の3つに分けて加工していきます。


レイヤーパネルの下部にある「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」から、「明るさ・コントラスト」や「色相・彩度」を選択し、各レイヤーを調整します。

次に、夕方の空の画像を用意します。

夕方の空は、空自体は明るくても雲が暗くなる特徴があります。


空の画像をPhotoshopで開き、加工中の画像にペーストし、レイアウトします。

空の画像は、ここでは「覆い焼きカラー40%」に設定し、他のレイヤー同様、「明るさ・コントラスト」や「色相・彩度」などで調整します。

次に、窓を通した室内照明の光を加えていきます。

新しいレイヤーを作成し、「円形ブラシ」ツールを使用して、白で光が差し込むであろう部分を描画します。

その後、このレイヤーを「オーバーレイ」モードでブレンドすると、室内の照明の影響で明るさが増す表現が得られます。

バランスを考慮しながら、影響が強すぎる場合は不透明度を調整して軽くし、逆に影響が薄い場合はレイヤーを複製して調整します。


ここでは、ブラシで描画した後、「ぼかし(ガウス)」を少しかけました。

同様に、新規レイヤーを作成し、円ブラシで建物と背景の間を白でなぞります。

このレイヤーをオーバーレイモードでブレンドすると、霞がかった演出が表現できます。

最後に、画像に渡り鳥らしき影を入れてみましょう。


渡り鳥の元になる画像を用意します。

以下のように、背景が白い画像が扱いやすいです。

鳥の画像をPhotoshopで開き、加工中の画像にペーストし、レイアウトします。

鳥の画像のレイヤーは「カラー比較(暗)」モード80%にした後、「ぼかし(ガウス)」をわずかにかけました。


また、ここまで作成した画像は青みが強いので、画像全体を少しあたたかい色味にします。

レイヤーパネルの下部にある「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」から「カラールックアップ」を選択、プロパティパネルの「3D LUTファイル」から「FallColors.look」を選択し、不透明度を調整します。


すると、以下のような夕景の画像になりました。



2. 夕景パースから雨のパースを作成する

1で作成した夕景のパース(鳥のレイヤーは使用しません)をベースにして雨の建築パースを手掛けてみましょう。


まず、新規レイヤーを作成し、黒で塗りつぶします。

(win:Ctrl + Backspace、mac:command+delete)

塗りつぶしたレイヤーに、「フィルター」>「描画」>「ファイバー」を適用します。

ここでは、変化50、強さ10に設定します。

覆い焼き(リニア)- 加算」モードを選択し、不透明度15%に設定します。


さらに、「フィルター」>「ぼかし」>「ぼかし(移動)」、角度-80°、距離60pixleを適用すると、斜めに落ちる雨のイメージができます。


もう一手間加えます。


新規レイヤーを作成し、以下のように、縦に直線を引きます。

線の引き方はいくつかありますが、ここでは鉛筆ツールを選択、描画モードを白にして、Siftキーを押しながら、ランダムに直線を引きました。

このレイヤーに「フィルター」>「ぼかし」>「ぼかし(移動)」、角度-80°、距離780pixleを適用します。

距離は調整してみてください。

700前後にスライダーをもってくると、線の中央部分がうっすら消えるので、雨がより自然に降っているように見えます。


ここで、消しゴムツールを選択し、バランス調整をします。

スクリーン」モード52%(パーセンテージは画面を見ながら調整してください)を選択します。

以下のように雨が降っているパースが完成しました。



3. 夕景パースから雪のパースを作成する

最後に、1で作成した夕景のパース(鳥のレイヤーは使用しません)を利用して、雪の建築パースを手掛けてみましょう。


まず、雪景色にするために、レタッチするレイヤーを選択し、「選択範囲」>「色域指定」を選択します。

選択範囲のプレビューは「クイックマスク」を選択し、指定色域を125%(画面を見ながら調整してください)にします。

OKをクリックすると、選択範囲が表示されます。

ここで、選択範囲が表示された状態で、「選択範囲」>「選択範囲を反転」を選択し、Deleteします。

白い雪景色になりました。


ですが、このままでは、不自然です。

雪景色のレイヤーを複製し、半透明にしたり、グラデーションマスクをかけたり、調整をします。

雪が降る様子のイメージを表現するには、いくつかの方法がありますが、最も簡単なのは、以下のような画像を用意し、合成することです。

雪の画像を編集中の画像にレイアウトし、「スクリーン」モード、不透明度40%にしました。

寒々しいイメージを表現するために、レイヤーパネルの下部にある「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」から「カラールックアップ」を選択、プロパティパネルの「3D LUTファイル」から「Crisp_Winter.look」を選択し、不透明度を調整します。

ここでは30%にしました。


雪の建築パースが完成しました。



まとめ

以上が、昼から夕、雨、雪といった様々な状況へと建築パースをレタッチするためのテクニックの一部でした。

これらの手順は、デザイナーにより異なりますが、本記事ではなるべく簡単にできる方法をお伝えしました。


もちろん、ベースとなるパースのクオリティも重要ですが、Photoshopを駆使したレタッチによって、驚くほど美しい表現が可能です。

3DCGを習得するよりも手軽に取り組むことができるでしょう。

美しい建築表現を楽しむためには、日々意識を向け、様々な表現方法を探求することが不可欠です。

建築の美しさを引き出すテクニックを身につけ、新しい視点で建築物を見つめてみましょう。

美しいものに触れることが、建築パース表現の向上に繋がります。

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