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Adobe Photoshopで樹木や植栽を素早く切り抜く!プロが教える時短テクニック完全ガイド

  • KIMURA Tetsuya
  • 7月12日
  • 読了時間: 9分

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樹木や植栽の切り抜きは、Adobe Photoshopに慣れている人でも「手間がかかる」と感じる作業のひとつです。完璧を目指すなら、パスツールやチャンネル選択、描画モードの調整など、プロならではの工程も多数ありますし、どの手法がベストかは、画像の内容や制作者のスキルによって大きく変わります。


でも、この記事で紹介するのは、もっとシンプルで現実的な方法です。Photoshopを「今日インストールしたばかりの初心者」でも、“それっぽく見える”切り抜きができる実用的な手順に絞って解説していきます。


紹介するのは、以下の2つの方法です。

  1. Firefly(AI)による自動切り抜き 最新の生成AI機能を使って、面倒な作業を一気に省略。Photoshopの知識が少なくても使いやすいのが特徴です。

  2. ブレンド条件 × チャンネル選択による従来の切り抜き 背景が明るく、樹木が暗い画像などにはこちらが向いています。少し操作に慣れが必要ですが、慣れれば非常に高速・高精度です。


すべての画像に万能な方法はありません。背景や素材の種類、そして自分のスキルレベルによって、どちらの方法が合っているかは変わってきます。


この記事では2つの方法の違いを比較しながら、自分に合ったやり方を見つけていきましょう。


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どちらを使うべき?まずはチェック

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樹木や植栽の切り抜きには、Photoshopの機能を活用したいくつかの方法がありますが、すべての画像に同じ方法が最適とは限りません。


そこでまずは、以下の比較表を参考に、ご自身の画像や作業環境に合った方法がどちらなのかをチェックしてみてください。

比較項目

Firefly(AI)切り抜き

ブレンド条件による切り抜き

操作の簡単さ

◎(初心者向け)

△(少し慣れが必要)

背景の複雑さへの対応力

◎(曇り空・建物・他の植栽なども対応)

△(青空など明暗差がある画像向き)

切り抜きの精度

◎(マスクで微調整可能)

◯(条件が合えば非常にキレイ)

必要な知識

ほぼ不要(自動化メイン)

中級者向け(チャンネルやスタイルの理解)

画像のコントラスト依存

影響少ない

影響大きい(明るい空と対象が必要)


どちらか1つだけでなく、使い分けがポイント

  • Photoshop初心者の方や、背景が複雑な画像を使っている方は 👉 Firefly(AI)機能が最適です。

  • 背景が青空などで明暗差がはっきりしている画像なら 👉 ブレンド条件を使うとよりスピーディに処理できます。


どちらも覚えておくと、場面に応じた切り抜きがすばやく行えるようになります。


では次に、それぞれの手順を具体的に見ていきましょう。最初に、Photoshopに搭載されたAI技術「Firefly」を使った最新の切り抜き方法から解説します。


建築向け画像生成AIに関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。



【方法①】Firefly(AI)で自動切り抜き(初心者向け)

ここでは、Adobe Photoshopに搭載されているAI技術「Adobe Firefly」を活用して、樹木や植栽を素早く切り抜く方法を紹介します。従来の手動マスクやチャンネル操作に比べて、より直感的でスピーディに処理できるのが特長です。


複雑な葉の輪郭や背景の入り組んだ画像にも対応しやすく、Photoshop初心者の方にも扱いやすい手順となっています。


STEP 1:画像を開く

Photoshopで切り抜きたい画像を開きます。この時点では通常の背景付きの画像で問題ありません。背景レイヤーがロックされている場合は、レイヤーパネルで鍵マークをクリックしてロックを解除しておきます。

STEP01:レイヤーパネルで鍵マークをクリックしてロックを解除
STEP01:レイヤーパネルで鍵マークをクリックしてロックを解除

STEP 2:「被写体を選択」でAIによる自動選択

上部メニューから[選択範囲]>[被写体を選択] をクリックします。

PhotoshopのAIが自動的に画像内の被写体(この場合は樹木や植栽)を判別し、選択範囲を作成します。Fireflyの技術により、細かい葉の輪郭などもある程度正確に選ばれます。

STEP2:上部メニューから[選択範囲]>[被写体を選択] をクリック
STEP2:上部メニューから[選択範囲]>[被写体を選択] をクリック

STEP 3:「選択とマスク」で精度を調整

次に、選択範囲を微調整するために、上部メニューまたは選択ツールのオプションバーから[選択とマスク] をクリックします。

STEP3-1:選択ツールのオプションバーから[選択とマスク] をクリック
STEP3-1:選択ツールのオプションバーから[選択とマスク] をクリック

「選択とマスク」ワークスペースが開きますので、以下の設定で調整を行います。

  • 表示モード:「オーバーレイ」または「黒地に白」など見やすいものを選択(ここではデフォルトのまま進めています。)

  • エッジの調整:

    • 「滑らかに」:5〜10程度

    • 「ぼかし」:1〜2px程度

    • 「コントラスト」:10〜20%

  • 「境界線調整ブラシツール」で細かい枝や葉の先端をなぞると、より自然になります

STEP3-2:エッジの調整し、「境界線調整ブラシツール」で細かい枝や葉の先端をなぞると、より自然になる
STEP3-2:エッジの調整し、「境界線調整ブラシツール」で細かい枝や葉の先端をなぞると、より自然になる

STEP 4:マスク付きの新規レイヤーとして出力

調整が完了したら、右下の「出力先」から[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)] を選び、「OK」をクリックします。

STEP4-1:右下の「出力先」から[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)] を選び、「OK」をクリック
STEP4-1:右下の「出力先」から[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)] を選び、「OK」をクリック

すると、元の画像レイヤーはそのままに、切り抜かれた被写体がマスク付きレイヤーとして新たに作成されます。

STEP 4-2:元の画像レイヤーはそのままに、切り抜かれた被写体がマスク付きレイヤーとして新たに作成された
STEP 4-2:元の画像レイヤーはそのままに、切り抜かれた被写体がマスク付きレイヤーとして新たに作成された

STEP 5(任意):細かい残り部分を「生成塗りつぶし」でなじませる

自動で切り抜いたあとでも、木の幹の根元や葉のすき間などに、少しだけ元の背景(芝生や空など)が残ることがあります。たとえば今回は、木の幹の下にうっすら芝生が残ってしまいました。

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こうした不要な部分も、Photoshopの「生成塗りつぶし」を使えば、周囲と自然になじませて簡単に処理することができます。ただし、生成したときに変な背景(見当違いな色や形など)が入り込むこともあるので、そのときは少しだけ手直しが必要です。


  1. レイヤーパネルで「レイヤーマスクを適用」して、切り抜きを確定します。

  2. 「なげなわツール」で、木の幹に残った芝生の部分をざっくり囲みます。 ※選択は大まかでOKです。ピッタリ囲む必要はありません。

  3. 選択範囲内を右クリックして「生成塗りつぶし」を選択します。 プロンプト(入力欄)は空欄のままで「生成」をクリックしてください。 ※「背景は透明にする」などの指示を入れると、意図しない背景や形が入り込む可能性があります。

1.レイヤーパネルで「レイヤーマスクを適用」して、切り抜きを確定
1.レイヤーパネルで「レイヤーマスクを適用」して、切り抜きを確定
2.「なげなわツール」で、木の幹に残った芝生の部分をざっくり囲む
2.「なげなわツール」で、木の幹に残った芝生の部分をざっくり囲む
3.選択範囲内を右クリックして「生成塗りつぶし」を選択
3.選択範囲内を右クリックして「生成塗りつぶし」を選択
プロンプト(入力欄)は空欄のままで「生成」をクリック
プロンプト(入力欄)は空欄のままで「生成」をクリック

生成結果が変になったときの対処方法

Fireflyが生成したレイヤーには、見た目はそれっぽくても、両脇に変な色や模様が混ざることがあります。そんなときは以下の方法で手直しできます。

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レイヤーパネルで「生成塗りつぶし」のレイヤーを選択します。パネル右上のメニュー(三本線)から「下のレイヤーと結合」を選びます。 これで「レイヤー0のコピー」と結合され、不要部分の削除が可能になります。

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「自動選択ツール」で不要な背景部分をクリックします。 両側にある場合は、Shiftキーを押しながら複数選択してください。選択範囲が取れたら、Deleteキーで削除します。

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完璧ではないが、切り抜くことができた
完璧ではないが、切り抜くことができた

これで、芝生の名残や不要な色が自然に消えてくれます。完璧ではなくても、ここまで処理できれば十分実用的な仕上がりになります。

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Fireflyの生成が100%理想どおりにならなくても、軽い手直しだけで十分きれいに仕上げられるのが魅力です。

STEP5-1:マスクを右クリックして「レイヤーマスクを適用」
STEP5-1:マスクを右クリックして「レイヤーマスクを適用」


Fireflyを活用した切り抜きのメリット

  • 操作がシンプルで、手動マスクよりも短時間で処理可能

  • 葉や枝などの複雑な輪郭にも強い

  • 背景に左右されにくく、さまざまな写真に対応可能

Photoshop初心者の方にとっても扱いやすく、生成AI機能の精度が年々向上しているため、これからの切り抜き作業の「標準ツール」としておすすめできます。



【方法②】ブレンド条件 × チャンネル選択による切り抜き(従来の方法)

背景が青空で、対象(樹木や植栽)とのコントラストがはっきりしている画像に最適なのが、ブレンド条件による切り抜きです。


Photoshopの「チャンネル」と「レイヤースタイル」を組み合わせることで、精密な調整が可能でありながら、慣れれば非常に素早く処理できます。


STEP 1

Photoshopで画像を開きます。レイヤーパネルで、背景レイヤーの「鍵マーク」をクリックしてロックを解除しておきます。

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STEP 2

画面右側の「チャンネル」パネルを開きます。

※表示されていない場合は、[ウィンドウ]>[チャンネル]から表示できます。

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STEP 3

チャンネルを1つずつクリックして表示し、どのチャンネルが最もコントラストが強いかを確認します。


今回の画像では、「ブルーチャンネル」が最も明暗がはっきりしていたため、これを基準に使用します。

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STEP 4

レイヤーパネルで「レイヤー0」を選択し、

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「レイヤー効果」をクリックし、

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「レイヤースタイル」ダイアログが開いたら、下部の「ブレンド条件」→「ブルー」チャンネルを選びます。

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スライダーを調整することで、青空の部分が徐々に透明になります。Alt(Option)キーを押しながらスライダーを分割して動かすと、より自然な境界処理が可能です。

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STEP 5

見た目上は背景が透明になっていますが、レイヤーパネルのサムネイルではまだ青空が残った状態になっています。このままでは他のレイヤーとの合成時に不具合が起こるため、「レイヤー0」を右クリックします。

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「スマートオブジェクトに変換」をクリックします。

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こうすることで、見た目とレイヤーの状態が一致し、背景が完全に切り抜かれた状態になります。

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これで、ブレンド条件を使った切り抜きは完了です。


特に空や背景が明るい写真に対しては、非常に短時間で自然な切り抜きが可能な方法として活用できます。



まとめ

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樹木や植栽の切り抜きは、Photoshopの中でも特に難易度が高い作業のひとつですが、画像の特徴に合った方法を選ぶことで、作業時間を大幅に短縮し、より自然な仕上がりが実現できます。


今回ご紹介した2つの方法は、それぞれに強みがあります。

  • Firefly(AI)を使った自動切り抜きは、複雑な背景や初心者にもやさしい操作性が魅力。

  • ブレンド条件とチャンネルを使った手法は、空背景などの明暗差がある画像に対して、短時間で高精度な切り抜きが可能です。


Photoshopを使いこなすうえで、複数の切り抜き方法を知っておくことは非常に大きな武器になります。ぜひ、今回の手順を実際の制作に取り入れて、自分のスタイルに合ったワークフローを見つけてみてください。


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