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DALL·E 3で建築パースを作成する方法|初心者でもできるプロンプト例・コツ・注意点【実例付き】

  • KIMURA Tetsuya
  • 6月8日
  • 読了時間: 12分

更新日:6月8日


AI画像生成が急速に進化する中、建築パースの制作現場でもAIを活用する動きが広がりつつあります。


中でもDALL·E 3は、専門的な3Dソフトや高度なスキルがなくても、手軽にイメージパースやコンセプトビジュアルを作成できる強力なツールです。


本記事では、初心者でもDALL·E 3を使って建築パースを作成できるよう、実際のプロンプト例やコツをわかりやすく解説します。




DALL·E 3でも建築パースは作れるのか?

これまで建築パースといえば、高度な3DCGソフトや専門スキルが必要とされてきました。しかし近年、AI画像生成の進化によって「誰でも手軽に建築パース風のイメージを作成できる」時代が訪れつつあります。


DALL·E 3は、OpenAIが開発する最新の画像生成AIです。ChatGPTに統合されていることから、テキストを入力するだけで簡単に建築イメージを生成できるのが大きな特徴です。特に以下のような用途では、初心者でも短時間で高品質なビジュアルを作成できます。


  • クライアントへのイメージ提案用パース

  • 設計初期のアイデアスケッチ

  • 社内会議・プレゼン資料のビジュアル強化

  • デザイン検討時のたたき台作成


もちろん、まだ細かな寸法精度や設計図ベースの正確なパース制作までは難しい面もありますが、「アイデアを素早く可視化する」段階では非常に強力なツールです。


この記事では、実際のプロンプト例・コツ・注意点を交えながら、初心者でも迷わずDALL·E 3で建築パースを作成できる方法をわかりやすく解説していきます。



DALL·E 3とは?|初心者向けに基本をおさらい

DALL·E 3は、OpenAIが開発した最新の画像生成AIです。入力したテキスト(プロンプト)に基づいて、AIが自動的に画像を生成します。特にChatGPTと統合されていることから、誰でも直感的に自然文で画像を作成できるのが大きな特徴です。


従来の画像生成AIでは、専門的な英語プロンプトや複雑なコマンドが必要でしたが、DALL·E 3では日本語でもかなり正確に意図を読み取ってくれます。これにより、建築パース制作のような専門的な分野でも初心者が扱いやすくなっています。


DALL·E 3と他のAI画像生成ツールとの違い

比較項目

DALL·E 3

Midjourney

Adobe Firefly

操作の手軽さ

非常に簡単(自然文入力)

やや難易度高(英語コマンド中心)

比較的簡単

建築パースとの相性

○(アイデアスケッチ向き)

◎(リアル表現に強い)

△(素材向き、建築はやや苦手)

商用利用

○(ChatGPT Plus経由は商用可)

○(有料プランは商用可)

○(Adobeライセンス条件あり)

利用料金

有料(ChatGPT Plus)

有料(完全有料化)

一部無料・一部有料

日本語対応

DALL·E 3は、プロフェッショナル用途で細部まで精度を求める場合はやや苦手ですが、建築パースの初期案作成・プレゼン資料・イメージ共有などでは十分活用可能です。むしろ「プロの3DCGパースほど作り込む必要はないが、雰囲気を伝えたい」という場面では最も使いやすい選択肢の一つになります。


商用利用は可能?

OpenAI公式の利用規約において、ChatGPT Plus(有料プラン)経由で作成したDALL·E 3画像は商用利用可能と明記されています。ただし以下の点には注意が必要です。


  • 特定の実在建物・商標・人物の生成は避ける

  • 著作権や肖像権に配慮する

  • 企業ロゴ・ブランド名を入れた生成は禁止


※この記事で紹介するプロンプト例は、すべて商用利用リスクを回避した汎用的な内容で解説します。



ChatGPT PlusでDALL·E 3を使う場合のモデル選択について

2025年6月現在、ChatGPT Plusの有料プラン(月額20ドル/日本円で約3,100円)に加入すると、画像生成機能(DALL·E 3)は最新モデルであるGPT-4oに完全統合されています。建築パースの画像生成も、このGPT-4oを通じてDALL·E 3が自動的に利用されます。


以前はGPT-4やGPT-4 Turbo(いわゆる4.5相当)、さらに開発段階のGPT-4o mini(04mini)なども存在していましたが、これらはすべて画像生成には対応していません。現在、ChatGPT本体で建築パースなどの画像生成を行う場合は、事実上「GPT-4oのみが対応モデル」となっています。特別な設定やモデル選択は必要なく、プロンプトを入力すれば自動で画像生成が開始されます。


そのため、DALL·E 3を使って建築パースを生成する場合は、ChatGPT Plusに加入し、GPT-4oを利用すればすぐに作業を始められます。



【実例付き】DALL·E 3のプロンプト作成の基本ルール

DALL·E 3は、入力する「プロンプト(指示文)」の内容次第で、生成される建築パースの品質が大きく変わります。ここでは、初心者でも建築パース向けに使いやすいプロンプト作成の基本をまとめます。


プロンプト設計の基本要素

プロンプトは、一文でまとめようとせず「要素ごとに区切って具体的に説明する」のがポイントです。建物の種類、アングル、光の状態、スタイル、周囲の環境などを順番に整理しながら書くと、AIに意図が伝わりやすくなります。


建築パース用のプロンプトは、以下の5つを意識すると失敗しにくくなります。

要素

内容

建物タイプ

何を描くか(住宅・ビル・商業施設など)

modern house, office building

構図・アングル

角度・視点

front view, aerial view, wide angle

天候・光

時間帯や天気

sunset, cloudy sky, sunny day

スタイル

写実/イラスト風/コンセプト画

photorealistic, architectural concept

環境要素

周囲の雰囲気

garden, trees, parking lot

【プロンプト例①】外観パース編

日本語プロンプト例

現代的な2階建て住宅の外観パース、正面アングル、青空、夕暮れの柔らかい光、ガーデンと芝生付き、フォトリアル、建築コンセプト用

英語プロンプト例

photorealistic 2-story modern house, front view, blue sky, soft sunset lighting, garden with lawn, architectural concept render
外観パースで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)
外観パースで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)

【プロンプト例②】内観パース編

日本語プロンプト例

高級マンションのリビングルーム、広々とした空間、大きな窓から自然光、モダンインテリア、木製フローリング、フォトリアル、建築内観コンセプト

英語プロンプト例

photorealistic luxury apartment living room, spacious, large windows with natural light, modern interior design, wooden flooring, architectural interior concept
内観パースで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)
内観パースで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)

【プロンプト例③】アイデアスケッチ・ラフ案編

日本語プロンプト例

商業施設のファサードデザイン案、建築スケッチ風、手描き風、シンプルな線画、外観全体がわかる構図、モノクロ

英語プロンプト例

architectural facade design sketch of commercial building, hand-drawn style, simple linework, full exterior view, monochrome
ラフで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)
ラフで生成された画像(日本語・英語いずれのプロンプトでもほぼ同様の画像が得られる)

DALL·E 3で建築パースを作成する際の注意点

AI画像生成は非常に便利ですが、建築パース用途ではいくつか注意が必要です。初心者がつまずきやすいポイントをまとめます。


① AIは「図面」ではなく「イメージ」で理解する

DALL·E 3は現時点では寸法・構造・正確な設計図を理解できません。プロンプトに「幅5m、天井高3m」と指定しても、ほとんど反映されないケースが大半です。


あくまでもイメージスケッチ・コンセプトイラストの作成用途レベルと考えましょう。


② 曖昧な表現は避ける

たとえば以下のような表現は失敗の元です。


  • 「オシャレな建物」

  • 「いい感じのインテリア」

  • 「普通のマンション」


AIは「オシャレ」とか「普通」の判断できません。できるだけ具体的な要素で指示することが重要です。


NG例

おしゃれな家の外観

OK例

modern 2-story house, flat roof, large windows, white walls, wooden facade, minimalistic design

③ 環境・光・時間帯を細かく入れる

AIは光や背景も描き込みます。以下を指定するだけで仕上がりが大きく改善します。


  • 時間帯(daytime, sunset, night, morning)

  • 光の質(soft lighting, dramatic lighting, natural light)

  • 背景(blue sky, cloudy sky, forest background)


④ 細部の描写に過度な期待は禁物

DALL·E 3は以下が苦手です。


  • 建材(タイルの割付け、金属質感などの再現性)

  • 複雑な植栽・街路樹の自然な配置

  • 人物(特に手・顔)


後工程で画像編集ソフト(Adobe Photoshopなど)を利用して、補正する必要があります。


⑤ 商用利用時の権利確認は忘れずに

OpenAIは商用利用を許可しています(ChatGPT Plus経由で生成した画像)。ただし、リスク回避のため「実在の建物名・ブランド名・ロゴ」などは入れない方が安全です。



よくある失敗プロンプト例と改善方法

初心者がDALL·E 3で建築パースを作成する際、最も多いのが「思った通りの画像が出ない」問題です。その原因の多くは「プロンプトの曖昧さ」にあります。


ここでは、実際の失敗例 → 改善プロンプト例を並べて解説します。


【失敗例①】「おしゃれな家の外観」

左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)
左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)

NGプロンプト

おしゃれな家の外観

「おしゃれ」という表現は非常に曖昧で、人によってイメージが異なります。そのため、AIはどのようなスタイルの家を生成すればよいのか判断できず、期待するイメージから大きく外れてしまうことがあります。建物の形状や素材、色使いなども指定がないため、仕上がりが安定しません。


改善プロンプト例

modern 2-story house, flat roof, large glass windows, white concrete walls, wood panel facade, minimalist design, photorealistic, sunny day, front view

【失敗例②】「リビングルームの画像」

左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)
左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)

NGプロンプト

リビングルームの画像

このプロンプトでは、部屋の広さや光の入り方、どんな家具が置かれているのか、どんなスタイルのインテリアなのかが一切指定されていません。そのため、AIは部屋の雰囲気を正しく読み取れず、意図とは異なるイメージが生成されることがよくあります。特に建築パースでは空間の広がりや家具の配置が重要なので、詳細な要素をしっかり指定する必要があります。


改善プロンプト例

spacious modern living room, wooden flooring, large windows with natural sunlight, white sofa, indoor plants, Scandinavian interior design, photorealistic

【失敗例③】「マンションのパース」

左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)
左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)

NGプロンプト

マンションのパース

「マンションのパース」だけでは、マンションが低層なのか高層なのか、何階建てなのかが全く指定されていません。また、建物の外壁の素材やバルコニーの有無、全体のデザインスタイルも曖昧なままです。そのためAIはどんな建物を描けばよいか判断できず、期待していたイメージとは大きく異なる仕上がりになる可能性があります。建築パースでは高さや構造、素材などをできるだけ具体的に指示することが重要です。


改善プロンプト例

high-rise apartment building, 15 stories, glass balcony, white concrete facade, modern design, cityscape background, blue sky, photorealistic

【失敗例④】「商業施設のスケッチ」

左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)
左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)

NGプロンプト

商業施設のスケッチ

商業施設の具体的な種類(ショッピングモールなのか、オフィスビルなのか等)が分からず、外観の形や描き方のスタイルも指定されていません。また、「スケッチ」とだけ伝えても、手描き風なのか、どの角度から描くのかなどが不明なため、AIは方向性を決めきれず曖昧な出力になりやすいです。スケッチ風のパースを作る場合でも、建物の種類・視点・描画スタイルをできるだけ具体的に指定することがポイントです。


改善プロンプト例

architectural sketch of shopping mall facade, hand-drawn style, minimal lines, black and white, perspective view, simple clean design

【失敗例⑤】「夕景の建築パース」

左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)
左:NGプロンプト例(曖昧な指示の場合) 右:改善プロンプト例(具体的に指示した場合)

NGプロンプト

夕景の建築パース

このプロンプトでは、建物の種類や形状、どのアングルから描くのかが指定されていません。また、「夕景」という情報だけでは光の方向や色温度などの条件も曖昧で、AIが意図した雰囲気を再現しにくくなります。時間帯を指定するだけでなく、建物の特徴や光の表現、植栽や周囲の景観まで具体的に指示することで、理想に近い画像が得られやすくなります。


改善プロンプト例

modern villa, front view, sunset sky, soft orange lighting, reflective windows, landscaped garden with small trees, photorealistic rendering


よくある質問(FAQ)

DALL·E 3で建築パースを作成する際に、特に初心者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。利用前にぜひ確認しておきましょう。


Q1. DALL·E 3で作成した建築パースは商用利用できますか?

ChatGPT Plus経由でDALL·E 3を利用して生成した画像は、OpenAIの利用規約に基づき商用利用が可能です。ただし、以下の点には注意が必要です。


  • 実在のブランド名・ロゴ・企業名・著名建築物などは避ける

  • 肖像権が絡む人物写真は慎重に扱う

  • 公序良俗に反する内容は禁止


商用プロジェクトに使う場合も、必ず利用規約を最新のものに確認しておきましょう。


Q2. 図面データから自動で建築パースは作れますか?

現時点(2025年6月時点)では、設計図やCADデータを直接読み取って建築パース化する機能はDALL·E 3にはありません。DALL·E 3はあくまで「文章によるイメージ指示」に基づいて画像を生成します。図面ベースの正確なパース作成は、引き続き専門の3DCGソフト(Blender、3dsMax、SketchUp等)の活用が必要です。


Q3. 無料プランでもDALL·E 3は使えますか?

2025年6月現在、ChatGPT Plus(有料プラン)限定でフル機能のDALL·E 3が提供されています。


無料プランでは利用できる画像生成の機能は制限があり、出力解像度や品質も下がります。本格的に建築パース生成に使うなら、ChatGPT Plusの加入をおすすめします。


Q4. DALL·E 3は日本語でもプロンプト入力できますか?

はい。日本語でも十分高精度に画像を生成できます。


ただし、より細かな表現力・安定性を求める場合は、英語プロンプトの方が正確に反映されやすい傾向があります。初心者のうちは日本語 → 慣れてきたら英語プロンプト併用がおすすめです。


Q5. 人物入りの建築パースも作成できますか?

DALL·E 3でも人物を含む画像生成は可能ですが、手指・表情・ポーズなどの描写が不自然になりやすい点には注意が必要です。人物添景を含む本格パース制作には、画像編集ソフトでの修正や後加工が前提になります。



まとめ

DALL·E 3は、従来の専門的な3DCGソフトとは異なり、自然文によるプロンプト入力だけで建築パース風のイメージを作成できる手軽さが最大の魅力です。


細かな寸法や設計精度は苦手ですが、以下のような用途では非常に効果的です。


  • クライアント向けのイメージ提案用パース

  • 設計初期段階のコンセプトスケッチ

  • プレゼン資料・社内会議用のビジュアル作成

  • アイデア出し・方向性検討用のラフイメージ作成


プロンプトの書き方さえコツをつかめば、初心者でも短時間で建築イメージをビジュアル化できる強力なツールになります。


また、商用利用についてもOpenAIのライセンスに基づき、ChatGPT Plus経由で生成したDALL·E 3の画像は商用活用が可能です(実在ブランド名・建築名などは除外が安全)。


今後もAI画像生成は進化が続く分野です。「正しいプロンプト設計力」を早めに習得しておくことは、建築ビジュアライゼーション分野でも大きな武器になります。


まずは手元のイメージから、ぜひDALL·E 3で「最初の一枚」を作成してみてください。



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