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Adobe Illustratorで建築パースを描く方法|遠近グリッド+AIで初心者でも簡単!

2025年6月29日
読了時間: 21分

更新日:8月28日



建築やインテリアのアイデアを伝えるとき、「遠近感のある建築パースを作りたいけれど、3DCGソフトを使うのは難しそう」と感じることはありませんか?


Adobe Illustratorには、1点・2点・3点透視のガイドを表示できる「遠近グリッド」という機能があります。グリッドに沿って図形を描いたり配置したりすることで、奥行きや空間の関係を意識しながら建物を描くことができます。


また、IllustratorにはAdobe Fireflyを活用した生成AI機能も搭載されており、テキストによる指示からベクターグラフィックを生成することもできます。ただし、利用できる生成AI機能や生成クレジットは契約プランによって異なります。Illustrator単体プランには毎月25生成クレジットが含まれていますが、Fireflyの有料プランは月額1,580円(税込)からとなっています。


そこでこの記事では、まずIllustratorの「遠近グリッド」を使って、シンプルな建築パースを作成する基本的な手順を解説します。遠近グリッドを使って建物の形や向き、視点をあらかじめ決めておくことで、「どのような構図の建物にしたいのか」を視覚的に整理できます。


そこでこの記事では、まずIllustratorの「遠近グリッド」を使って、シンプルな建築パースを作成する基本的な手順を解説します。


さらに、作成したパースを画像として書き出し、ChatGPTやNano Banana 2などの生成AIを使って、外壁や窓、玄関、植栽などを加えた建築イメージへ発展させる方法も紹介します。

遠近グリッドの基本的な使い方から、Illustratorで作成したパースをAIで発展させる方法まで、実際の操作画面を交えながら順番に見ていきましょう。


本格的な3DCGソフトを使わず、企画初期のイメージ検討やプレゼン資料、コンセプトビジュアルなどに活用できる建築パースを作ってみたい方は、ぜひ参考にしてください。


CONTENTS


建築向け画像生成AIに関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。




そもそもAdobe Illustratorとは?


Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)は、Adobeが提供するベクターグラフィック編集ソフトです。ロゴやアイコン、イラスト、タイポグラフィ、印刷物、Web用グラフィックなど、幅広いデザイン制作に利用されています。

Adobe Illustratorでできること
Adobe Illustratorでできること

Illustratorの大きな特徴は、点や線、曲線などを数値情報で扱う「ベクター形式」でグラフィックを作成できることです。写真のようなピクセルで構成された画像とは異なり、拡大・縮小しても画質が劣化しにくいため、細かな線や図形を扱うデザインにも適しています。


建築分野でも、Illustratorはさまざまなビジュアル制作に活用できます。たとえば、建築パースやコンセプトイメージの作成をはじめ、平面図などの図面に色や文字を加えて見やすく整えたり、動線図やゾーニング図、コンセプト図などのダイアグラムを作成したりすることができます。


また、図面やCGパース、写真、テキストなどを組み合わせて、プレゼンテーションボードや企画資料をレイアウトするといった使い方も可能です。複数のアートボードを1つのファイル内に作成できるため、サイズや用途の異なる資料をまとめて制作する場合にも便利です。


Illustratorには、オブジェクトに奥行きを与える3D関連機能や、画像をベクター化する画像トレースなども搭載されています。さらに、建物や空間を描くときに役立つのが、本記事で使用する「遠近グリッド」です。1点・2点・3点透視のグリッドを表示し、それに沿って図形を描画・配置することで、遠近感のあるビジュアルを作成できます。


ただし、IllustratorはCADやBIMのように建築設計そのものを行うためのソフトではありません。設計図面を作成するというよりも、建築のアイデアや情報を「わかりやすく見せる」「伝わるビジュアルに仕上げる」といった用途で活用しやすいツールです。


Adobe Illustratorの料金

Adobe Illustratorは買い切りではなく、サブスクリプション形式で提供されています。2026年8月時点の個人向け通常料金は以下のとおりです。

プラン

料金(税込)

主な内容

Illustrator単体プラン(年間プラン・月々払い)

3,280円/月

Illustrator、Adobe Expressプレミアムプラン、100GBクラウドストレージなど

Illustrator単体プラン(年間プラン・一括払い)

34,680円/年

Illustratorを1年間利用

Creative Cloud Pro(年間プラン・月々払い)

9,080円/月

Illustrator、Photoshop、InDesign、Acrobat Proなど20以上のアプリ

Illustrator単体プランには7日間の無料体験も用意されています。Illustratorだけを使用する場合は単体プラン、PhotoshopやInDesignなどもあわせて使用する場合はCreative Cloud Proが選択肢になります。


※料金やプラン内容、キャンペーン価格は変更される場合があります。最新情報はAdobe公式サイトをご確認ください。



Adobe Illustratorで建築パースは作れる?


Adobe Illustratorは、CADやBIM、3DCGソフトのように建物を設計したり、3Dモデルを作成したりすることを主な目的としたソフトではありません。


しかし、ベクターによる図形作成と「遠近グリッド」を組み合わせることで、奥行きのある建築イラストやパースを作成できます。


遠近グリッドでは、1点・2点・3点透視のグリッドを表示し、消点や水平線などを調整しながら図形を描画・配置できます。特に建物を斜めから見たような構図には2点透視が使いやすく、本記事でも2点透視の遠近グリッドを使って建物を描いていきます。


Illustratorで作る建築パースが活躍するのは、設計そのものよりも、建物や空間のアイデアを視覚的に伝えたい場面です。

コンセプト提案やアイデアの視覚化に

企画や設計の初期段階では、まだ細かな仕様が決まっていなくても、「どのような建物にしたいのか」「どのような雰囲気の空間にしたいのか」を共有する必要があります。

Illustratorなら、図形や線、色などを使って建物をシンプルに表現できるため、コンセプトやアイデアをビジュアルに起こしたいときに活用できます。


空間図やレイアウトの表現に

Illustratorはベクター形式で図形や線を扱えるため、建物だけでなく、家具や什器、サインなどを組み合わせた空間のイメージも作成できます。

平面的なレイアウトに加えて、遠近グリッドを利用すれば奥行きを持たせた表現も可能です。フォトリアルなCGではなく、情報を整理したシンプルなビジュアルとして空間を見せたい場合にも向いています。


プレゼン資料や提案資料に

建築や空間のアイデアは、文章や図面だけでは完成後のイメージが伝わりにくいことがあります。

Illustratorで作成した建築パースを図面やテキスト、写真などと組み合わせれば、プレゼンテーションボードや企画書、社内提案資料などにも活用できます。専門的な図面を読み慣れていない人へ、空間のイメージを視覚的に伝えたい場合にも便利です。


WebやSNS用のビジュアルに

Illustratorは、フォトリアルな建築CGとは異なる、グラフィカルな建築表現にも適しています。

線や面を活かしたフラットな建築イラストや、色数を抑えたコンセプトビジュアルなどを作成できるため、WebサイトやSNS、パンフレットなどに掲載するビジュアルとしても活用できます。


ここで挙げた4点のようにIllustratorは、建物を「設計する」だけではなく、建築や空間のアイデアを「見せる・伝える」ためにも活用できるツールです。


なお、寸法や構造などを扱う設計図面の作成にはCADやBIM、立体的なモデルの作成やフォトリアルなレンダリングには3DCGソフトなど、それぞれの用途に適したツールがあります。



遠近グリッドツールとは?

グリッドの種類
グリッドの種類

Illustratorの「遠近グリッドツール」は、遠近法に沿ったグリッドを画面上に表示し、奥行きのある図形やイラストを描くための機能です。


グリッド上で図形を描くだけでなく、すでに作成したオブジェクトを遠近法に合わせて配置することもできます。消点や水平線、グリッドの角度や位置なども調整できるため、建物や室内など、奥行きのあるビジュアルを作成するときに便利です。


遠近グリッドは「Shift+P」で表示でき、1点・2点・3点遠近法の3種類から選択できます。

グリッドには、以下の3つの種類があります。


グリッドの種類

Illustratorでは2点遠近法がデフォルトの遠近グリッドとして設定されています。本記事でも、建物の正面と側面を同時に表現しやすい「2点遠近法」を使って、シンプルな建築パースを作成していきます。

グリッドの種類

消点

特徴

向いている構図

1点遠近法

1つ

1つの消点に向かって奥行きを表現する

室内や廊下、建物を正面から見た構図

2点遠近法

2つ

左右2つの消点を使い、建物の正面と側面などを立体的に表現する

建物を斜めから見た外観、部屋のコーナー

3点遠近法

3つ

左右に加えて上下方向にも消点を設け、高さや奥行きを強調する

高層ビルの見上げ、上空からの見下ろし



Illustrator でパース図を描く方法

それでは実際に、Illustratorの遠近グリッドを使ってパース図を作成してみましょう。


Illustratorを使い始めたばかりの人でも分かりやすいように、ステップごとに詳しく解説します。今回は、以下のようなシンプルなビルを作成していきます。



※各ツールの詳細な使用方法や機能については、Adobe公式ヘルプページをご参照ください。 Adobe Illustrator ヘルプ - 遠近グリッド


①Illustratorで遠近グリッドを表示

まず、新規ファイルを作成します。アートボードのサイズは、作成するパースの用途や縦横比に合わせて設定してください。今回は遠近グリッドの基本操作を確認することが目的なので、サイズは任意で問題ありません。


Webや画面上で使用する場合はRGB、印刷物に使用する場合は入稿条件に合わせてカラーモードを設定します。


遠近グリッドを表示する方法は、主に以下の2通りです。


1.ツールバーから表示する場合

ツールバーから「遠近グリッドツール」を選択すると、アートボード上に遠近グリッドが表示されます。

ショートカット(Windows・Mac共通):Shift + P

※ツールパネルに遠近グリッドツールが表示されていない場合は、該当ツールを長押しまたは右クリックすると隠れているツールが表示されます。


2.メニューから表示する場合

上部メニューの「表示」→「遠近グリッド」→「二点遠近法」→「2P-標準ビュー」を選択します。

こちらを使うと最初から標準の2点透視グリッドが表示されるので、建築パースの作成時はこの方法が便利です。

今回はこのグリッドを使って建物を作成していきます。




遠近グリッドの基本的な調整方法

グリッドが表示されたら、各ポイントをドラッグして位置や大きさを調整できます。

  • 消点の移動:左右の消点をドラッグして位置を調整

  • グリッド全体の移動:地表レベルポイントをドラッグして移動

  • 水平線の高さ調整:水平線を上下にドラッグして視点の高さを調整

  • グリッドセルのサイズ調整:グリッドセルサイズのポイントをドラッグして間隔を調整

より細かい設定は「表示」→「遠近グリッド」→「グリッドを定義」から数値で調整できます。


②図形をレイアウト

遠近グリッドを表示させたら、次は図形を描いていきます。 長方形ツールなどでグリッド上に図形を描くと、自動的にグリッドに吸着し、遠近感のある形に変形します。


遠近グリッド上に配置した図形を変形したい場合は、「遠近図形選択ツール」を使用します。

ショートカット(Windows・Mac共通):Shift + V

遠近グリッド線上に配置した図形を変形したい場合は、「遠近図形選択ツール」を使用します。


③右側に図形を配置

②の手順で、遠近グリッド線の左部に長方形を配置しました。

次に右部にも同様に長方形を配置したいのですが、実際に長方形を追加で配置すると、下図のように左部のグリッド線に吸着されてしまい、右部のグリッド線には吸着されません。

遠近グリッド線の右部にも図形を配置する場合は、グリッド線よりもさらに左上にあるアイコンをクリックすることで、左部・右部・下部の3箇所に対して吸着する対象を切り替えることができます。

実際に右部に吸着するように切り替えて長方形の図形を配置すると下図のようになります。


④遠近グリッドの非表示と塗りつぶし

上部の「表示」メニューより「遠近グリッド」を選択、「グリッドを隠す」をクリックします。

遠近グリッドが非表示になりました。線で作成している場合、塗りつぶし、地面と空を追加すると、以下のような簡単なパース図が作成できます。



Illustratorで作った建築パースを生成AIで仕上げる方法


ここまで、Illustratorの遠近グリッドを使って、建物の正面と側面に奥行きを持たせたシンプルな建築パースを作成しました。


このようなベースとなるパースをあらかじめ作っておくと、建物の大まかな形や向き、視点、構図を自分で決めたうえで、そのイメージを生成AIに伝えることができます。


生成AIだけで建築イメージを作る場合、建物の形やカメラアングルまでAI側に任せることになります。一方、Illustratorで作成したパースを参考画像として使用すれば、「この形や構図をベースにして仕上げる」という方向性を指定しやすくなります。


ここでは、前章で作成したIllustratorのパースを画像として書き出し、ChatGPTやNano Banana 2に読み込ませて、外壁、窓、玄関、植栽などを加えながら、より具体的な建築イメージへ発展させる方法を紹介します。


1. Illustratorで作成したパースを画像として書き出す

まずは、前章で作成したIllustratorの建築パースを、生成AIに読み込ませるための画像として書き出します。


Illustratorで作成している図形はベクターデータですが、PNGやJPEGとして書き出すと、ピクセルで構成されたラスター画像になります。PNGやJPEGはいずれも一般的なラスター画像形式です。今回は、線や図形の輪郭をできるだけ保った状態で扱いやすいため、PNG形式で書き出します。


1. 書き出すアートボードを確認する

前章で作成したIllustratorファイルを開き、建築パースがアートボード内に収まっていることを確認します。


生成AIは、この画像をもとに建物の形や構図を読み取ります。そのため、建物が極端に小さかったり、アートボードから大きくはみ出していたりする場合は、書き出す前に配置を調整しておきましょう。


また、この段階では窓や玄関、外壁の素材などを細かく描き込む必要はありません。建物のおおまかな形状と、正面・側面の向きがわかる程度のシンプルな状態で問題ありません。


2. 「スクリーン用に書き出し」を開く

Illustratorの上部メニューから、

「ファイル」→「書き出し」→「スクリーン用に書き出し」

を選択します。


「スクリーン用に書き出し」では、Illustratorのアートボードや個別のアセットを、PNG、JPEG、SVG、PDFなど複数の形式で書き出すことができます。


今回はアートボード全体を書き出したいため、「アートボード」タブを選択します。


3. 書き出すアートボードを選択する

「スクリーン用に書き出し」ダイアログが表示されたら、左側に表示されているアートボードの中から、建築パースを作成したアートボードにチェックが入っていることを確認します。


複数のアートボードを作成している場合は、今回使用するものだけを選択しておくとわかりやすいでしょう。


4. ファイル形式を「PNG」に設定する

右側の「形式」で、書き出す画像形式を設定します。


今回はPNGを選択します。


PNGとJPEGはいずれも画像として書き出せますが、JPEGは非可逆圧縮を使用する形式で、保存時に画像情報の一部が失われます。一方、PNGは可逆圧縮を使用するため、今回のような線や面を中心としたシンプルなIllustratorの画像を書き出す用途にも使いやすい形式です。


そのため、生成AIへ渡す元画像としてはPNGを使用します。


5. 書き出しサイズを設定する

続いて、画像のサイズを設定します。


「スクリーン用に書き出し」では、「1x」「2x」「3x」などの倍率を指定できます。


今回のように生成AIへ参考画像として渡す用途では、建物の輪郭や形状が判別できればよいため、まずは1xで書き出して問題ありません。


ただし、元のアートボードが小さく、書き出した画像の解像度が低くなる場合は、2xなどに変更してもよいでしょう。


重要なのは、細部を高精細にすることよりも、建物全体の形や構図がはっきり確認できる状態にすることです。


6. 書き出し先を指定する

「書き出し先」から、画像を保存するフォルダーを指定します。


デスクトップなど、あとからChatGPTやNano Banana 2へアップロードしやすい場所を選択しておくと便利です。


保存先を指定したら、「アートボードを書き出し」をクリックします。


これで、Illustratorで作成した建築パースがPNG画像として保存されます。


7. 書き出した画像を確認する

書き出しが完了したら、保存したPNG画像を開いて確認します。


以下の点をチェックしておきましょう。

  • 建物全体が画像内に収まっている

  • 正面と側面の向きがわかる

  • 建物の輪郭がはっきりしている

  • 不要なオブジェクトや作業途中の図形が残っていない

  • 生成AIに残してほしい建物の形が確認できる

今回使用する画像は、完成した建築CGである必要はありません。


むしろ、Illustratorの遠近グリッドで作成したシンプルなパースを「建物の形や構図を指定するための下絵」として使用し、その情報を生成AIに引き継いでもらうことが目的です。


次の手順では、このPNG画像をChatGPTにアップロードし、建物の形やカメラアングルをできるだけ維持しながら、住宅として必要な窓や玄関、外壁、植栽などを加えていきます。


2. ChatGPTにパース画像をアップロードする

Illustratorで建築パースをPNG形式で書き出したら、次はその画像をChatGPTに読み込ませます。


今回は、まったく新しい建物を生成するのではなく、Illustratorで作成した建物の形や向き、カメラアングルをベースにしながら、より具体的な建築イメージへ発展させるのが目的です。


1. ChatGPTを開く

ブラウザからChatGPTを開きます。


ChatGPTでは、テキストから新しい画像を生成するだけでなく、既存の画像をアップロードして「この部分を変更してほしい」「この要素を追加してほしい」といった指示を出すこともできます。


今回は、この画像編集機能を利用します。


2. Illustratorから書き出したPNG画像をアップロードする

メッセージ入力欄から画像を追加し、先ほどIllustratorから書き出したPNG画像を選択します。



パソコンの場合は、画像ファイルをメッセージ入力欄へドラッグ&ドロップして追加することもできます。


画像が表示されたら、建物全体が正しく読み込まれていることを確認しましょう。


3. どの部分を維持するのかをプロンプトで指定する

画像をアップロードしただけでは、生成AIは「何を残し、何を変更すればよいのか」までは判断できません。


そのため、プロンプトでは、

  • 建物の基本的な形状

  • 建物の向き

  • カメラアングル

  • パースや構図

など、Illustratorで決めた要素を維持することを明確に指定します。


そのうえで、窓や玄関、外壁の素材、植栽など、追加してほしい要素を伝えます。

今回は、Illustratorで作成したシンプルな建物を、ナチュラルモダンな2階建て住宅へ発展させてみましょう。


4. プロンプトを入力する

たとえば、次のように入力します。

プロンプト例

添付画像の建物をベースに、2階建ての住宅の建築CGパースを作成してください。元画像の建物の基本的な形状、正面と側面の向き、パース、カメラアングル、構図はできるだけ維持してください。白い塗り壁と明るいナチュラルブラウンの木材を組み合わせた、ナチュラルモダンな住宅にしてください。正面に玄関と窓、側面にも窓を追加し、建物の周囲には低木や小さな植栽を配置してください。昼間の自然光で、住宅の外観がわかりやすい、リアルな建築CGパースにしてください。文字やロゴは入れないでください。

入力したら、画像を生成します。


ChatGPTで生成した画像
ChatGPTで生成した画像

5. 元のパースと生成結果を比較する

画像が生成されたら、Illustratorから書き出した元画像と比較します。


(左)Illustratorから書き出した元画像→(右)ChatGPTで生成した画像
(左)Illustratorから書き出した元画像→(右)ChatGPTで生成した画像

ここで確認したいのは、単に「きれいな建築CGになったか」だけではありません。

Illustratorで決めた建物の形や構図が、どの程度生成結果に引き継がれているかを確認することが重要です。


たとえば、次のような部分を見比べます。

  • 建物の大まかな外形が維持されているか

  • 正面と側面の位置関係が大きく変わっていないか

  • 建物を見る方向が変わっていないか

  • カメラの高さや画角が大きく変化していないか

  • 指定した外壁や窓、玄関、植栽が追加されているか


生成結果で建物の形が大きく変わってしまった場合は、「建物の形状は変更しないでください」「元画像と同じカメラアングルを維持してください」など、維持したい条件をより具体的に指定して再生成してみましょう。


ただし、生成AIによる画像編集は、CADや3DCGソフトでモデルを編集する作業とは異なります。元画像の寸法や形状を厳密に固定したまま仕上げられるとは限らないため、ここではIllustratorで作ったパースを設計図として正確に再現するのではなく、形や構図の方向性を伝えるための参考画像として利用すると考えるとよいでしょう。


3. 同じパースをNano Banana 2でも仕上げてみる

続いて、同じIllustratorのPNG画像をNano Banana 2でも編集してみましょう。


Nano Banana 2はGeminiアプリで利用できる画像生成・編集モデルです。既存画像をアップロードし、その画像をもとに編集を指示することができます。


同じIllustratorのパースと、できるだけ同じ内容のプロンプトを使用することで、ChatGPTとNano Banana 2でどのような生成結果になるのか比較することもできます。


1. Geminiを開く

ブラウザからGeminiを開き、Googleアカウントでログインします。


2. Illustratorから書き出した画像をアップロードする

先ほどChatGPTで使用したものと同じPNG画像をアップロードします。



今回は比較しやすくするため、Illustratorから書き出した同一の元画像を使用します。



3. プロンプトを入力する

基本的には、ChatGPTで使用したものと同じ条件を指定します。


プロンプト例

添付画像の建物をベースに、2階建ての住宅の建築CGパースを作成してください。元画像の建物の基本的な形状、正面と側面の向き、パース、カメラアングル、構図はできるだけ維持してください。白い塗り壁と明るいナチュラルブラウンの木材を組み合わせた、ナチュラルモダンな住宅にしてください。正面に玄関と窓、側面にも窓を追加し、建物の周囲には低木や小さな植栽を配置してください。昼間の自然光で、住宅の外観がわかりやすい、リアルな建築CGパースにしてください。文字やロゴは入れないでください。

プロンプトを送信します。



アップロードした画像をもとに新しい建築イメージが生成されます。


Nano Banana 2で生成した画像
Nano Banana 2で生成した画像
(左)Illustratorから書き出した元画像→(右)Nano Banana 2で生成した画像
(左)Illustratorから書き出した元画像→(右)Nano Banana 2で生成した画像

4. ChatGPTの生成結果と比較する

Nano Banana 2で画像を生成したら、

Illustratorで作成したパース → ChatGPTで仕上げた画像 → Nano Banana 2で仕上げた画像

の3つを並べて比較してみましょう。


(左)Illustratorから書き出した元画像 (中央)Nano Banana 2で生成した画像 (右)ChatGPTで生成した画像
(左)Illustratorから書き出した元画像 (中央)Nano Banana 2で生成した画像 (右)ChatGPTで生成した画像

同じ元画像と似たプロンプトを使用しても、生成AIによって建物の解釈や素材の表現、窓や玄関の配置、植栽、光の表現などが異なる場合があります。


そのため、どちらか一方だけを使うのではなく、複数の生成AIでアイデアを試し、イメージに近い結果を検討するといった使い方もできます。


このように、Illustratorの遠近グリッドで建物の形や構図を決め、その画像を生成AIへ渡すことで、ゼロからプロンプトだけで画像を生成する場合とは異なり、自分で考えた建物の方向性を示したうえで、デザインや素材のアイデアを視覚化するという使い方ができます。



仕上がりを少し良くする3つのポイント


遠近グリッドで建物の形を作成したら、色や影、添景を少し調整するだけでも、建築パースの印象を整えることができます。

ここでは、Illustrator初心者でも取り入れやすい3つのポイントを紹介します。

1. 色数を増やしすぎない

シンプルな建築パースでは、壁・窓・地面・空などに使用する色をある程度絞ると、全体に統一感を出しやすくなります。


特に生成AIで作成した人物や樹木などを追加すると、色数が増えて全体がまとまりにくくなることがあります。添景を追加したあとは、建物とのバランスを見ながら色味を調整してみましょう。


Illustratorの「オブジェクトを再配色」を使えば、複数のオブジェクトの配色をまとめて調整することもできます。


2. 光の方向を意識して明暗をつける

建物の面ごとに明るさを少し変えると、シンプルな図形だけでも立体感を表現できます。


たとえば、光が左側から当たっている場合は、光が当たる面を明るく、反対側の面を少し暗くします。窓や庇などにも同じ方向を意識して明暗をつけると、建物全体の見え方を揃えやすくなります。


複雑な影を描く必要はありません。まずは正面と側面の明度を変える程度から試してみるとよいでしょう。


3. 人物や樹木などの添景を追加する

人物や樹木、家具などの添景を加えると、建物の大きさや空間の使われ方が伝わりやすくなります。


この記事で紹介したIllustratorの「ベクターを生成」を使って作成するほか、「建築パースで使う人物素材サイトと簡単な合成方法を徹底解説」で紹介している素材を利用する方法もあります。


人物や樹木を配置するときは、建物とのスケール感にも注意しましょう。また、建物を主役にしたい場合は、添景の色やコントラストを少し抑えると、建築パース全体をまとめやすくなります。


建物を細かく描き込まなくても、「配色」「光と影」「添景」の3つを意識するだけで、シンプルな建築パースの仕上がりを整えることができます。



まとめ


Adobe Illustratorの「遠近グリッド」を使えば、1点・2点・3点透視のガイドに沿って図形を配置し、奥行きのある建築パースを作成できます。


基本的な操作は、遠近グリッドを表示して描画する面を選び、建物の壁や窓、ドアなどの図形を配置していくという流れです。遠近法を一から作図する必要がないため、Illustratorを使い始めたばかりの方でも、グリッドを確認しながら建物を描くことができます。


さらに現在のIllustratorには、「ベクターを生成」をはじめとする生成AI機能も搭載されています。建物のイメージを生成したり、人物や樹木などの添景を作成したり、生成したベクターをIllustrator上で編集したりと、建築パース制作のさまざまな場面で活用できます。


自分で建物の形を作りたいときは遠近グリッド、デザインのアイデアを広げたり添景を効率よく作成したりしたいときは生成AIというように、目的に合わせて組み合わせてみましょう。


IllustratorはCADやBIM、3DCGソフトとは役割が異なりますが、企画初期のイメージやプレゼン資料、コンセプトビジュアルなど、建物や空間のアイデアを視覚的に伝えたい場面で活用できます。


まずは本記事で紹介したシンプルな建物から、遠近グリッドと生成AIを使った建築パース制作を試してみてください。


建築向け画像生成AIに関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。



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