【初心者向け】CGパースの種類・制作方法・価格を徹底解説
更新日:9月25日

CGパースは、建物や空間の完成イメージを3DCGで視覚化したものです。まだ完成していない建物でも、外観のデザインや室内の雰囲気、素材の質感、光の入り方、家具や植栽の配置などを、実際の空間に近いイメージで表現できます。
CGパースについて調べていると、「外観パース」「内観パース」「鳥瞰パース」などさまざまな種類があり、さらに制作方法や使用するソフト、価格も目的によって異なります。
住宅の完成イメージを確認したい場合と、大規模な建築計画をプレゼンテーションしたい場合では、必要なCGパースも同じではありません。また、自分で制作する場合には3DCGソフトやレンダリングソフトなどが必要になり、制作会社へ依頼する場合には、パースの種類や制作内容によって費用や納期が変わります。
そのため、CGパースを制作・依頼する前に、「どのような種類があるのか」「どのように作られるのか」「どのくらいの費用と期間が必要なのか」をまとめて理解しておくと、目的に合った方法を選びやすくなります。
この記事では、CGパースの種類、制作方法、使用するソフト・ツール、制作期間、価格・費用を初心者向けにまとめて解説します。
CONTENTS
CGパースとは?

CGパースとは、3DCGを使って建物や空間の完成イメージを視覚化したものです。

建築物の外観やインテリアなどをコンピュータ上に立体的に再現し、建物の形状や素材、色、照明、家具、植栽などを含めて、完成後のイメージをわかりやすく表現できます。
設計図だけでは伝わりにくい空間の広がりや素材の質感、光の入り方なども視覚的に確認できるため、設計段階での検討やクライアントへのプレゼンテーション、不動産広告、Webサイト、パンフレットなど幅広い用途で活用されています。
また、CGを使った建築表現は静止画だけではありません。3Dモデルを活用することで、建物の周囲や室内を移動するウォークスルー動画やアニメーション、360度パノラマなどを制作することもできます。
CGパースは、完成前の建物や空間を具体的にイメージし、設計者やクライアントなどの関係者間で完成イメージを共有するための手段として活用されています。
CGパースの制作方法

CGパースは、建物や空間を3Dで作成し、素材や光を設定して画像として書き出し、必要に応じて仕上げを行うことで制作します。

詳しい制作工程については別の記事で解説しているため、ここではCGパース制作の基本となる「モデリング」「レンダリング」「レタッチ」の3つに分けて紹介します。
モデリング(Modeling)

モデリングは、図面などをもとに建物や空間を3Dデータとして立体化する工程です。
壁や床、天井、窓、建具などの形状を作成し、必要に応じて家具や設備、植栽などを配置して空間を構築します。
モデリングには、Blender、SketchUp、3ds Max、Mayaなどの3DCGソフトが使用されます。建築CGでは、設計データを活用したり、用途に応じて複数のソフトを組み合わせたりする場合もあります。
レンダリング(Rendering)

レンダリングは、作成した3Dモデルをもとに、最終的な画像を生成する工程です。
建物や家具などに素材や質感を設定し、太陽光や照明などのライティング、カメラの位置や画角を調整したうえで画像を書き出します。
素材の質感や光、影、反射などを調整することで、完成後の建物や空間をイメージしやすいCGパースに仕上げていきます。
レタッチ(Retouch)

レンダリングした画像は、そのまま完成とする場合もありますが、必要に応じてレタッチを行います。
Adobe Photoshopなどの画像編集ソフトを使い、明るさや色味の調整、人物や植栽の追加、背景の合成などを行い、最終的な印象を整えます。
現在は画像生成AIを補助的に活用し、背景や植栽などの追加・変更、画像の一部分の修正などを行う方法もあります。
CGパースの基本的な流れは、モデリング ▶︎ レンダリング ▶︎ レタッチです。ただし、使用するソフトや制作工程は、建物の規模や求める表現、制作環境によって異なります。
CGパース制作におすすめの3DCGソフト・ツール
CGパース制作では、1つのソフトだけですべての工程を行うとは限りません。3Dモデルを作成するソフト、画像を書き出すレンダラー、仕上げを行う画像編集ソフトなどを、制作環境や目的に合わせて組み合わせます。
ここでは、CGパース制作で利用される代表的なソフト・ツールを紹介します。
❶ Blender

Blenderは、無料で利用できるオープンソースの3DCGソフトです。
モデリングからマテリアル設定、ライティング、レンダリング、アニメーション、コンポジットまで幅広い機能を備えており、1つのソフトで3DCG制作の一連の工程を進められます。レンダリングには、フォトリアルな表現に対応する「Cycles」などを利用できます。
❷ SketchUp

SketchUpは、建築やインテリアなどの3Dモデリングに利用されているソフトです。
建物や空間の形状を直感的に立体化しやすく、設計段階のモデル作成から建築ビジュアライゼーションまで活用できます。V-Rayなどのレンダラーと組み合わせて、フォトリアルなCGパースを制作することも可能です。
❸ 3ds Max

3ds Maxは、Autodeskが提供するプロフェッショナル向け3DCGソフトです。
高度なモデリングやマテリアル、ライティングなどの機能を備え、特に建築ビジュアライゼーションで利用されています。V-RayやCoronaなどのレンダラーと組み合わせた制作環境を構築できる点も特徴です。
❹ Maya

Mayaは、Autodeskが提供する3DCG制作ソフトです。
モデリング、アニメーション、エフェクト、レンダリングなど幅広い機能を備えています。映画・映像・ゲームなどの制作で広く利用されており、建築CGでも複雑な3D表現やアニメーションを制作する場合に活用できます。
❺ V-Ray

V-Rayは、Chaosが開発するレンダラーです。
3Dモデルに設定した素材や照明などを計算し、フォトリアルな画像として出力できます。3ds MaxやSketchUp、Revit、Rhino、Cinema 4Dなど複数の3Dソフトに対応しており、建築ビジュアライゼーションにも利用されています。
❻ Corona

Coronaは、Chaosが提供する建築ビジュアライゼーション向けのレンダラーです。
3ds MaxとCinema 4Dに対応し、リアルな照明やマテリアルを比較的シンプルな操作で設定できることが特徴です。建築外観やインテリアなど、フォトリアルなCGパース制作に利用されています。
❼ Redshift

Redshiftは、Maxonが提供するGPUアクセラレーション対応のレンダラーです。
GPUを利用して高速にレンダリングでき、リアルな照明やマテリアル、エフェクトなどを表現できます。高品質な静止画だけでなく、複雑な3Dシーンやアニメーションのレンダリングにも利用されています。
❽ Photoshop

Photoshopは、CGパースの最終的なレタッチや画像調整に利用できる画像編集ソフトです。
レンダリングした画像の明るさや色味を整えるほか、人物や植栽、背景などを合成して仕上げることができます。現在は「生成塗りつぶし」などの生成AI機能も搭載されており、画像の一部分を追加・削除・変更するといった編集にも活用できます。
CGパースの種類

CGパースには、建物をどの視点から見せるかによっていくつかの種類があります。代表的なのが、外観パース、内観パース・インテリアパース、鳥瞰パースです。それぞれ確認できる内容や用途が異なるため、目的に合わせて使い分けます。
外観パース

外観パースは、建物を外側から見た完成イメージを表現するCGパースです。
建物の形状や外壁、屋根、窓などのデザインだけでなく、道路や植栽、周辺の建物などを含めて表現することで、完成後の建物と周辺環境との関係を確認できます。
住宅やマンション、ホテル、商業施設、オフィスなど幅広い建築物で使用され、設計検討やプレゼンテーションのほか、不動産広告やWebサイト、パンフレットなどにも活用されています。
内観パース・インテリアパース

内観パース・インテリアパースは、建物の内部や室内空間を視覚化したCGパースです。
床や壁、天井などの内装材をはじめ、家具、照明、設備、インテリアなどを配置し、完成後の空間を具体的に表現します。
住宅のリビングやキッチンだけでなく、ホテルの客室やロビー、飲食店、アパレルショップ、オフィスなどさまざまな空間で利用されます。内装デザインの検討やクライアントへの提案、広告・販促用のビジュアルなどにも活用できます。
鳥瞰パース

鳥瞰パースは、建物や敷地を上空から見下ろした視点で表現するCGパースです。
建物単体だけでなく、複数の建物の配置や道路、駐車場、広場、植栽などを含めた敷地全体を一枚の画像で把握しやすいことが特徴です。
マンションや大規模商業施設、複合施設、街区開発など、建物と周辺環境との位置関係を伝えたい場合に適しています。計画全体の説明やプレゼンテーション、広告用ビジュアルなどに活用されています。
CGパースの使用シーン

CGパースは、完成後の建物や空間を確認するだけでなく、設計内容の共有、プレゼンテーション、都市計画、不動産広告など、さまざまな場面で活用されています。
用途によって求められるCGパースの見せ方も異なるため、誰に何を伝えるのかを明確にして制作することが重要です。
建築プロポーザル・プレゼンテーション
建築プロポーザルやコンペ、クライアントへのプレゼンテーションでは、設計意図や完成イメージを伝えるためにCGパースが使用されます。
図面だけではイメージしにくい建物の形状や素材、周辺環境との関係などを視覚化できるため、計画の特徴やデザインコンセプトを共有しやすくなります。
設計・インテリアの提案
住宅や店舗、ホテル、オフィスなどの設計では、外観や室内の完成イメージを確認するためにCGパースが活用されます。
内装材や家具、照明、色などを完成前に視覚化できるため、デザイナーとクライアントの間でイメージを共有しながら、デザインを検討できます。
都市計画・大規模開発
再開発や複合施設、住宅地などの大規模な計画では、鳥瞰パースなどを使って建物や道路、広場、緑地などの配置を視覚化します。
個々の建物だけではなく、街区や敷地全体の構成、周辺環境との関係を一枚のビジュアルで伝えられることが特徴です。
不動産マーケティング
まだ完成していない住宅やマンション、商業施設などを紹介する際にもCGパースが活用されています。
外観や室内の完成イメージを視覚的に伝えられるため、Webサイト、パンフレット、チラシ、広告などの販売促進用ビジュアルとして利用できます。実際に建築パース制作会社でも、プレゼンテーションや販促用ビジュアルとしてCGパースが制作されています。
CGパース制作にかかる費用と時間

CGパースの制作費用や期間は、建物の規模、制作するパースの種類、必要なカット数、モデリングの難易度、求めるクオリティ、支給される図面や3Dデータの有無などによって変わります。
また、同じ外観パースでも戸建住宅と大規模な商業施設では必要な作業量が異なるため、種類だけで一律に料金を決めることはできません。制作会社によって料金体系も異なるため、以下は発注時の目安として考えてください。
CGパースの種類 | 費用の目安 | 制作期間の目安 | 費用・期間が変わる主な要因 |
外観パース | 5万〜20万円程度/1カット | 1〜3週間程度 | 建物の規模、外構、周辺環境、植栽、アングルなど |
内観パース・インテリアパース | 8万〜25万円程度/1カット | 2〜4週間程度 | 空間の広さ、家具・設備、素材、照明、造作など |
鳥瞰パース | 10万〜30万円程度/1カット | 3〜6週間程度 | 敷地面積、建物数、道路・外構、周辺環境、視点の高さなど |
CGパース制作では、一般的にモデリング、素材や照明の設定、レンダリング、レタッチなどの工程が必要です。制作会社によっては修正回数が料金に含まれている場合もあれば、一定回数を超えると追加料金が発生する場合もあります。
特に、大規模な建築物や複雑な形状、詳細な家具・植栽、夜景、季節表現、周辺環境の作り込み、複数アングルの制作などが必要になると、作業量が増えるため費用や制作期間も変わります。
そのため、実際に依頼する際は価格だけで判断せず、制作する範囲、必要なカット数、修正回数、納期、納品データの形式などを事前に確認したうえで見積もりを依頼するとよいでしょう。
※費用・制作期間は案件や制作会社によって大きく異なります。上記は一般的な目安であり、実際の料金・納期については各制作会社へ確認してください。
まとめ

CGパースは、建物や空間の完成イメージを3DCGで視覚化し、設計内容やデザインをわかりやすく伝えるための表現方法です。
代表的な種類には、建物の外観を表現する「外観パース」、室内空間を表現する「内観パース」、建物や敷地全体を上空から見渡す「鳥瞰パース」などがあり、目的や用途に応じて適した表現方法が異なります。
制作では、設計図などの資料をもとに3Dモデルを作成する「モデリング」から、マテリアル・テクスチャ設定、ライティング、カメラ設定、レンダリング、レタッチまで、複数の工程を経て完成させます。使用するソフトや表現方法によって、仕上がりや制作工程も変わります。
また、CGパースの制作を外部へ依頼する場合は、建物の規模やパースの種類、必要なカット数、求めるクオリティ、納期などによって価格や制作期間が異なります。そのため、依頼前に用途や必要な表現、予算、スケジュールを整理しておくことが重要です。
CGパースの種類や制作方法を理解し、「何を確認したいのか」「誰にどのようなイメージを伝えたいのか」を明確にしたうえで、目的に合った制作方法や依頼先を選びましょう。






