建築パースのモデリングとは?3DCGの種類・方法・ソフトを解説
更新日:9月26日

3DCGで建築パースを制作するうえでは欠かせない工程ですが、モデリングにはいくつかの手法があり、用途によって適した方法も異なります。
この記事では、モデリングの基本から代表的な手法、3DCGと3DCADの違い、使用されるソフトまでわかりやすく解説します。
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3DCGのモデリングとは?

建築パースが完成するまでには、モデリング以外にも、素材や質感を設定する「マテリアル・テクスチャ設定」、光源を配置する「ライティング」、3Dデータから画像を生成する「レンダリング」など、複数の工程があります。
一般的な制作の流れは、次のようになります。

図面・設計データ → モデリング → マテリアル・テクスチャ設定 → ライティング → レンダリング → 建築パース完成
つまりモデリングは、完成した建築パースの土台となる立体形状を作る工程です。建物の形状や空間の構成を3Dで再現することで、その後の素材設定やライティング、レンダリングへとつなげていきます。
3DCGモデリングの主な種類

3DCGのモデリングにはさまざまな手法があり、作成する形状や用途に応じて使い分けられています。代表的な手法として、以下の3つがあります。
モデリング方法 | 特徴 | 建築パースでの主な用途 | 向いている形状 |
頂点・辺・面を組み合わせて立体形状を作成する | 壁・床・屋根・窓・ドア・家具など | 一般的な建築物から細かなディテールを持つモデルまで | |
曲線や曲面を数学的に表現し、滑らかな形状を作成する | 曲面屋根・複雑なファサード・自由な形状の建築物など | 滑らかな曲面や複雑な曲線を持つ形状 | |
デジタル粘土を削ったり盛り上げたりする感覚で形状を作成する | 彫刻・装飾・岩などの自然物 | 細かな凹凸や複雑で有機的な形状 |
1. ポリゴンモデリング

ポリゴンモデリングとは、頂点・辺・面(ポリゴン)を組み合わせて立体的な形状を作成する方法です。
3DCGでは広く使われているモデリング手法で、建物や家具、インテリア、人物、プロダクトなど、さまざまな3Dモデルを制作できます。
建築パースでは、壁や床、屋根、窓、ドアなどの形状を作成する際にも利用されます。頂点や辺、面を編集しながら形を整えられるため、シンプルな建築物から細かなディテールを持つモデルまで幅広く対応できます。
2. NURBS・曲面モデリング

NURBS(ナーブス)は、曲線や曲面を数学的に表現して立体形状を作成するモデリング手法です。
滑らかな曲面を扱いやすいことが特徴で、曲線を多用した建築物や家具、工業製品などのモデリングに利用されています。
建築分野では、直線的な形状だけでは表現しにくい曲面屋根や複雑なファサード、自由な形状を持つ建築物などを制作する際に活用できます。
3. スカルプトモデリング

スカルプトモデリングとは、デジタル上の粘土を削ったり盛り上げたりするような感覚で、立体形状を作成する方法です。
細かな凹凸や複雑な曲面、有機的な形状を直感的に作り込めるため、人物や動物、彫刻、岩、装飾などのモデリングに適しています。
建築パースでは建物そのものを制作する中心的な手法というよりも、彫刻や装飾、自然物など、複雑で有機的な形状を作成する場合に活用できます。
建築パースではどのモデリング方法を使う?
一般的な建築パース制作では、建物や家具などを制作しやすいポリゴンモデリングが広く利用されています。一方、曲面を多用した建築ではNURBSなどを活用し、複雑な装飾や自然物ではスカルプトモデリングを使用するなど、制作する対象に応じて複数の手法を使い分けることもあります。
それぞれの特徴を理解しておくことで、作成したい建築物やパースの内容に適したモデリング方法を選びやすくなります。
3DCGモデリングと3DCADの違い

3DCGモデリングと3DCADは、どちらもコンピューター上で3次元のモデルを作成する技術ですが、主な目的や得意とする表現が異なります。
3DCGは、建物や家具などを立体的にモデリングし、素材や質感、光、影などを設定することで、完成後のイメージを視覚的に表現することを得意としています。建築分野では、建築パースやプレゼンテーション用のCG、アニメーションなどに活用されています。

一方、3DCADは設計や製図を目的としており、寸法や形状などの情報を正確に扱えることが特徴です。建築物の設計図面や詳細な設計データの作成などに利用されています。

3DCGと3DCADの主な違い
建築パース制作では、CADで作成された図面や設計データを3DCGソフトに取り込み、それをもとにモデリングを行うこともあります。その後、マテリアルやテクスチャ、ライティングなどを設定し、レンダリングすることで、完成後の建物や空間をイメージしやすい建築パースに仕上げていきます。
このように、3DCGと3DCADは目的が異なるものの、建築パース制作ではそれぞれの特徴を活かしながら組み合わせて使用することができます。
建築パースのモデリングに使われる主なソフト

建築パースのモデリングには、さまざまな3DCGソフトが使用されています。ソフトによって得意とするモデリング方法や機能が異なるため、制作する建築物や目的に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、建築パース制作で利用されている代表的な3DCGモデリングソフトを紹介します。
ソフト | 特徴 | 対応OS | 価格(2026年9月現在) | ライセンス・支払い |
無料で使える高機能な3DCGソフト。モデリングからマテリアル、ライティング、レンダリングまで幅広く対応 | Windows/macOS/Linux | 無料 | オープンソース(GNU GPL)。商用利用可能 | |
建築ビジュアライゼーションで広く使われるプロ向け3DCGソフト。モデリング・レンダリング・アニメーションに対応 | Windows | 345,400円/年 | サブスクリプション。日本円で購入可能。クレジット/デビットカード、PayPal、Apple Pay、Google Payなどに対応 | |
直感的な操作性が特徴の3DCGソフト。建築ビジュアライゼーションにも対応 | Windows/macOS | 134,800円/年(税別・国内販売価格) | サブスクリプション。年間契約は一括払い。国内正規販売店から日本円で購入可能 | |
建築モデルを手軽に作成できる3Dモデリングソフト。LayOutによる2D図面作成にも対応 | Windows/macOS | US$399/年(US$33.25/月相当・年払い、税別) | サブスクリプション。公式オンライン価格は米ドル表示。Visa、Mastercardなどのクレジットカード/PayPalに対応 | |
NURBSによる複雑な曲面形状に強い3Dモデリング・CADソフト | Windows/macOS | 187,000円(税込) | 買い切りの永久ライセンス。日本円で購入可能 |
※価格は2026年9月現在の情報です。料金やプランは変更される場合があるため、最新情報は各ソフトの公式サイトをご確認ください。
Blender|無料で使える高機能な3DCGソフト

Blenderは、無料で利用できるオープンソースの3DCG制作ソフトです。

モデリングをはじめ、マテリアルやテクスチャの設定、ライティング、レンダリング、アニメーションまで、3DCG制作に必要な幅広い機能を備えています。
建築パース制作では、建物や家具などのモデリングから完成イメージのレンダリングまで、一連の作業を行うことができます。

3ds Max|建築ビジュアライゼーションで広く使われる3DCGソフト

3ds Maxは、Autodeskが提供する3DCG制作ソフトです。

モデリングやレンダリング、アニメーションなどの機能を備え、建築ビジュアライゼーションをはじめ、ゲームや映像制作など幅広い分野で利用されています。
建築物やインテリアのモデリングにも対応しており、さまざまなレンダラーやプラグインと組み合わせた制作環境を構築できます。

Cinema 4D|直感的な操作性が特徴の3DCGソフト

Cinema 4Dは、Maxonが提供する3DCG制作ソフトです。

モデリング、マテリアル、ライティング、レンダリング、アニメーションなどの機能を搭載しています。
建築パースやプロダクトビジュアライゼーションのほか、モーショングラフィックスや映像制作など幅広い用途で活用されています。

SketchUp Pro|建築モデルを手軽に作成できる3Dモデリングソフト

SketchUp Proは、直感的な操作で3Dモデルを作成できるモデリングソフトです。

建築物やインテリア、家具などの形状を比較的スピーディーに作成でき、建築や設計分野で広く利用されています。
設計初期のボリューム検討から建築パース用の3Dモデル作成まで、さまざまな場面で活用できます。

Rhino|複雑な曲面形状に強い3Dモデリングソフト

Rhinoは、NURBSによる曲線・曲面のモデリングを得意とする3Dモデリングソフトです。

滑らかな曲面や複雑な形状を精密に作成できるため、曲面を多用した建築デザインやプロダクトデザインなどに活用されています。Grasshopperと組み合わせることで、パラメトリックデザインにも対応できます。

建築パース制作では、ひとつのソフトだけですべての工程を行う場合もあれば、CADや複数の3DCGソフト、レンダリングソフトなどを組み合わせて制作する場合もあります。制作目的や必要な機能、扱いたいデータなどを確認し、自分の制作環境に合ったソフトを選びましょう。
まとめ

今回は、3DCGにおけるモデリングの基本から、代表的なモデリング手法、3DCGと3DCADの違い、建築パース制作に使われる主なソフトまで紹介しました。
モデリングは、建物や家具などの形状を3次元空間上に作成する、建築パース制作の土台となる工程です。一般的な建築物ではポリゴンモデリングが広く使われていますが、曲面を多用した建築ではNURBS、複雑な装飾や自然物などではスカルプトモデリングを活用するなど、制作する対象によって適した手法が異なります。
また、建築パース制作では3DCGソフトだけでなく、CADで作成された図面や設計データを活用することもあります。それぞれの役割や特徴を理解しておくことで、目的に合った制作方法やソフトを選びやすくなるでしょう。
まずは作りたい建築パースに適したモデリング方法やソフトを選び、実際に3Dモデルを作成しながら、それぞれの特徴をつかんでみてください。






