鳥瞰パースとは?種類・用途・作り方を初心者向けに解説|AIで作成する方法も紹介
更新日:9月24日

建築パースにはさまざまな表現方法がありますが、建物や敷地、周辺環境までを高い位置から見渡すように表現するのが「鳥瞰パース」です。
鳥瞰パースを使うことで、通常の目線に近い外観パースでは把握しにくい建物の配置や敷地全体の構成、道路・駐車場・植栽などとの位置関係を一枚の画像で伝えやすくなります。戸建住宅やマンションだけでなく、オフィスや商業施設、大規模な開発計画、都市計画など幅広い場面で活用されています。
また、鳥瞰パースといっても、斜め上から建物を見下ろすものから、ほぼ真上から見るトップビュー、街区や都市全体を見渡す広域鳥瞰まで、視点や用途によってさまざまな表現があります。
従来、鳥瞰パースを制作するには3Dモデリングやレンダリングなどの専門的な作業が必要でしたが、現在ではChatGPTやNano Banana 2などの画像生成AIを使い、文章でイメージを伝えて鳥瞰パースを作成することも可能になっています。
本記事では、鳥瞰パースの基本や種類、用途を初心者向けにわかりやすく解説します。さらに、ChatGPTやNano Banana 2を使って鳥瞰パースを作成する方法や、プロンプトの書き方、AIを利用する際の注意点についても紹介します。
CONTENTS
鳥瞰パースとは?

鳥瞰パースとは、建物や街並みを高い位置から見下ろす視点で表現したパースのことです。「鳥瞰」という言葉のとおり、鳥が空から地上を眺めるような視点で、建物を立体的に表現します。
一般的な外観パースでは、地上に近い目線から建物を見ることが多いのに対し、鳥瞰パースでは高い位置に視点を設定します。そのため、建物の形状だけでなく、敷地内の建物配置や道路、駐車場、植栽など、周辺環境との位置関係をまとめて見せやすいことが特徴です。
また、鳥瞰パースには斜め上から建物を見下ろす表現だけでなく、より高い位置から敷地全体を見せるものや、街区・都市まで広く見渡すものなどがあります。目的に合わせて視点の高さや角度を変えることで、伝えたい情報をわかりやすく表現できます。
鳥瞰パース・俯瞰図・3D間取り図の違いをまとめると、以下のようになります。
比較項目 | 鳥瞰パース | 俯瞰図 | 3D間取り図 |
主な目的 | 建物や敷地全体を立体的に見せる | 対象を上から見て全体を把握する | 室内の間取りや配置を立体的に見せる |
視点 | 高い位置から見下ろす | 上方から見下ろす | 斜め上や真上から見下ろす |
主に見せるもの | 建物・敷地・外構・周辺環境 | 建物・敷地・街区など対象全体 | 部屋・家具・設備・動線 |
立体感 | あり | 表現方法による | あり |
建物内部 | 基本的には外観中心 | 表現方法による | 室内を見せる |
よく使われる用途 | 建築・不動産・都市計画・プレゼン | 配置や全体構成の説明 | 住宅・マンションなどの間取り紹介 |

鳥瞰パースと俯瞰図の違い
「鳥瞰」と「俯瞰」はどちらも上から見下ろす表現に使われるため、似た意味で使われることがあります。
俯瞰は、対象を上から見下ろす視点そのものを表す幅広い言葉です。一方、鳥瞰パースは、建築物や街並みなどを高い位置から見下ろし、奥行きや立体感を持たせて表現したパースを指します。
そのため、鳥瞰パースは俯瞰表現のひとつと考えるとわかりやすいでしょう。
鳥瞰パースと3D間取り図の違い
鳥瞰パースと混同しやすいものに、3D間取り図があります。
3D間取り図は、建物の屋根や上部を取り除いたような状態で室内を立体的に表現し、部屋の配置や家具、生活動線などをわかりやすく見せることを主な目的としています。
一方、鳥瞰パースは室内の間取りを見せることに限らず、建物の外観や敷地、外構、周辺環境などを高い視点から見せる表現です。
どちらも斜め上から見下ろした構図になることがあるため見た目は似ていますが、3D間取り図は「室内の構成」、鳥瞰パースは「建物や敷地を高い視点から見せる」ことが中心という違いがあります。
鳥瞰パースの主な種類

鳥瞰パースは、視点の高さやカメラの角度によって見え方が大きく変わります。建物そのものを見せたい場合と、敷地や街全体を見せたい場合では、適した視点も異なります。
ここでは、代表的な鳥瞰パースの種類を紹介します。
低い位置から見下ろす鳥瞰パース

建物より少し高い位置に視点を設定し、斜め上から見下ろすように表現する鳥瞰パースです。
建物の屋根だけでなく外壁や窓などの立面も見えやすいため、建物のデザインや立体感を伝えながら、敷地全体も見せたい場合に適しています。住宅やオフィス、商業施設など幅広い建築物に利用できます。
高い位置から見下ろす鳥瞰パース

さらに高い位置から見下ろすことで、建物だけでなく、道路や駐車場、植栽、周辺の建物なども広く見せる表現です。
建物と敷地、周辺環境との位置関係を把握しやすいため、大規模な施設や複数の建物からなる計画などにも向いています。
ほぼ真上から見下ろすトップビュー

カメラを高い位置に設定し、地面に対してほぼ垂直に見下ろす表現です。
建物の屋根や外構、道路、駐車場、植栽などの配置が分かりやすく、敷地全体の構成を視覚的に伝えたい場合に適しています。斜めから見る鳥瞰パースと比べると建物の立面は見えにくくなりますが、配置関係を把握しやすいことが特徴です。
街区や都市を見せる広域鳥瞰パース

一つの建物ではなく、街区や都市などの広い範囲を高い位置から見渡す鳥瞰パースです。
道路や河川、公園、複数の建物などを一つの画面に収められるため、大規模開発や再開発、都市計画などの全体像を伝える場合に活用されます。
鳥瞰パースを使用するメリット

鳥瞰パースは、通常の目線から見る外観パースとは異なり、建物を高い位置から見下ろして表現します。そのため、建物だけでなく敷地や周辺環境まで含めた計画を伝えたい場合に適しています。

建物と敷地全体を一度に確認できる
鳥瞰パースでは、建物の形状とともに、敷地内の道路や駐車場、植栽、広場などを一枚の画像に収めることができます。
建物単体の外観だけでは分かりにくい、敷地全体の構成を視覚的に把握しやすいことがメリットです。
周辺環境との関係を伝えやすい
視点を高くすることで、隣接する建物や道路、公園などの周辺環境も含めて表現できます。
建物が周囲の街並みの中でどのように配置されるのかなど、計画地と周辺環境との関係を伝えやすくなります。
建物の配置や動線を把握しやすい
複数の建物がある施設では、それぞれの位置関係だけでなく、エントランスや歩行者通路、車両の進入経路なども重要です。
鳥瞰パースなら全体を見渡せるため、建物の配置や人・車の動線をイメージしやすくなります。
完成後のイメージを共有しやすい
図面だけでは完成後の姿をイメージすることが難しい場合があります。
鳥瞰パースを使えば、建物・外構・周辺環境を立体的に表現できるため、設計者だけでなく、クライアントや関係者にも完成後の全体像を共有しやすくなります。
鳥瞰パースが活用される主な用途

鳥瞰パースは、建物から周辺環境まで広い範囲を一度に表現できるため、住宅や商業施設、大規模な都市開発など、さまざまな場面で活用されています。

住宅・マンション
戸建住宅やマンションでは、建物の外観だけでなく、庭や駐車場、エントランス、植栽などを含めた敷地全体のイメージを伝えるために鳥瞰パースが使われます。
マンションでは、複数棟の配置や共用スペースなど、地上からの視点だけでは分かりにくい全体構成を見せる場合にも効果的です。
オフィス・商業施設
オフィスや商業施設では、建物のデザインに加えて、エントランスや広場、駐車場、歩行者スペースなどを含めた計画を表現できます。
複数の建物や施設で構成される場合にも、それぞれの位置関係や敷地全体のイメージを伝えやすくなります。
不動産開発・都市計画
大規模な住宅開発や再開発、都市計画では、一つの建物だけでなく、街区全体を見渡す広域の鳥瞰パースが活用されます。
建物や道路、公園、河川などをまとめて表現することで、開発後の街の全体像を視覚的に示すことができます。
プレゼンテーション・広告
鳥瞰パースは、設計や計画の説明だけでなく、クライアントへのプレゼンテーションや不動産広告、Webサイト、パンフレットなどにも利用されます。
図面だけでは伝わりにくい完成後の姿を視覚化できるため、専門知識のない人にも計画のイメージを伝えやすいことが特徴です。
鳥瞰パースを作成できる主な3Dツール

鳥瞰パースは、建物の3Dモデルを作成し、カメラの位置や角度を調整してレンダリングすることで制作できます。
建築パースの制作にはさまざまな3Dツールが使用されています。ここでは、鳥瞰パースの制作にも活用できる代表的なツールを紹介します。
ツール | 主な特徴 | 鳥瞰パースでの活用 |
高度な3Dモデリング・レンダリング | 建物や周辺環境まで細かく作り込める | |
直感的な3Dモデリング | 建物や敷地を比較的手軽に3D化できる | |
無料で利用できる高機能3DCGソフト | モデリングからレンダリングまで対応 | |
建築向けのリアルタイムビジュアライゼーション | 3Dモデルから鳥瞰イメージを作成しやすい | |
建築向け3Dレンダリングソフト | 建物に植栽や周辺環境を加えて表現できる |
3ds Max|建物や周辺環境まで細かく作り込める

3ds Maxは、Autodeskが提供するプロフェッショナル向けの3DCGソフトです。
高度なモデリング、マテリアル、ライティング、レンダリング機能を備えており、建築ビジュアライゼーションにも広く活用されています。建物だけでなく、周囲の環境やオブジェクトまで細かく作り込み、リアルな鳥瞰パースを制作できます。
SketchUp Pro|建物や敷地を比較的手軽に3D化できる

SketchUp Proは、建築やインテリア、建設などで利用されている3Dモデリングツールです。
直感的に3Dモデルを作成しやすいことが特徴で、建物や敷地をモデリングしてカメラの位置や角度を調整することで、鳥瞰視点のイメージを作成できます。建築設計からプレゼンテーションまで幅広く活用できます。
Blender|モデリングからレンダリングまで対応

Blenderは、無料で利用できるオープンソースの3DCGソフトです。
3Dモデリングからマテリアル、ライティング、レンダリングまで幅広い機能を備えています。レンダリングエンジン「Cycles」などを利用して、建物や街並みをリアルに表現することも可能です。
Twinmotion|3Dモデルから鳥瞰イメージを作成しやすい

Twinmotionは、Epic Gamesが提供するリアルタイム3Dビジュアライゼーションツールです。
3ds MaxやRevit、SketchUp Proなどさまざまなツールとの連携に対応しており、取り込んだ3Dモデルに植栽や人物、マテリアルなどを追加して建築パースを制作できます。静止画だけでなく、動画やVR、プレゼンテーションなどにも活用できます。
Lumion|建物に植栽や周辺環境を加えて表現できる

Lumionは、建築・デザイン向けのリアルタイム3Dレンダリングツールです。
SketchUpやRevit、Archicadなどで作成した3Dモデルを取り込み、マテリアルや照明、植栽、周辺環境などを加えてビジュアル化できます。建物単体だけでなく、ランドスケープや都市計画など広い範囲を見せる鳥瞰パースにも活用できます。
AIを使えば鳥瞰パースを手軽に作成できる

鳥瞰パースは3DCGツールを使って制作できますが、ChatGPTやNano Banana 2(Gemini)などの画像生成AIを使って、文章による指示から鳥瞰パースのイメージを作成することもできます。
作りたい建物の種類やデザイン、視点の高さ、周辺環境などをプロンプトに入力するだけで画像を生成できるため、3Dモデリングやレンダリングの専門的な操作を行わずに、さまざまな鳥瞰イメージを試すことができます。
ChatGPTでは、文章から新しい画像を生成できるほか、生成した画像やアップロードした画像に追加の指示を出して編集することも可能です。
Nano Banana 2(Gemini)も、プロンプトからの画像生成や画像編集に対応しており、カメラアングルなどを変更することもできます。
ここでは、鳥瞰パースが活用される4つの用途を例に、実際に使えるプロンプトを紹介します。
住宅・マンションの鳥瞰パース
プロンプト例
3階建てのモダンな低層マンションの鳥瞰パースを作成してください。
建物を斜め上の高い位置から見下ろし、バルコニー、エントランス、駐車場、植栽、周辺道路まで見える構図にしてください。
昼間の自然光で、リアルな建築ビジュアライゼーションとして表現してください。ChatGPTで生成

Nano Banana 2で生成

オフィス・商業施設の鳥瞰パース
プロンプト例
5階建てのモダンなオフィスの鳥瞰パースを作成してください。
高い位置から斜めに見下ろし、建物全体とエントランス、広場、駐車場、植栽、周辺道路が見える構図にしてください。
ガラスを取り入れた現代的な外観とし、リアルな建築ビジュアライゼーションとして表現してください。ChatGPTで生成

Nano Banana 2で生成

不動産開発・都市計画の鳥瞰パース
プロンプト例
新しく開発された街区全体を見渡す広域鳥瞰パースを作成してください。
マンション、オフィス、商業施設、公園、道路、河川などを配置し、高い上空から街全体を斜めに見下ろす構図にしてください。
都市開発の完成イメージが伝わる、リアルな建築ビジュアライゼーションとして表現してください。ChatGPTで生成

Nano Banana 2で生成

プレゼンテーション・広告向けの鳥瞰パース
プロンプト例
新しく計画された複合商業施設の鳥瞰パースを作成してください。
建物、広場、カフェテラス、歩行者通路、駐車場、豊かな植栽を配置し、施設全体が魅力的に見える斜め上空からの構図にしてください。
晴れた昼間の自然光で、プレゼンテーションや広告に使用できるリアルな建築ビジュアライゼーションとして表現してください。ChatGPTで生成

Nano Banana 2で生成

このように、同じプロンプトを使用しても、使用する画像生成AIによって仕上がりは異なります。複数のAIで試したり、生成後に追加の指示を出したりしながら、目的に合ったイメージに調整してみましょう。
ただし、画像生成AIでは建物の寸法や形状、図面などが正確に再現されるとは限りません。 アイデアやデザインの検討にはAI、正確な設計情報に基づいた鳥瞰パースには3DCGを利用するなど、目的に応じて使い分けることが大切です。
まとめ

鳥瞰パースは、建物や街並みを高い位置から見下ろすように表現したパースです。建物の外観だけでなく、敷地全体の配置や道路、駐車場、植栽、周辺環境との関係まで一枚の画像で伝えやすく、住宅やマンション、オフィス、商業施設、不動産開発、都市計画など幅広い用途で活用されています。
鳥瞰パースを制作する場合は、3ds MaxやSketchUp Pro、Blender、Twinmotion、Lumionなどの3Dツールを利用できます。建物を3Dモデルとして作成し、カメラの高さや角度を調整することで、目的に合わせた鳥瞰視点を表現できます。
また、ChatGPTやNano Banana 2などの画像生成AIを使えば、作りたい建物や視点、周辺環境などを文章で伝えるだけで、鳥瞰パースのイメージを手軽に生成することも可能です。アイデア出しやデザインの検討、完成イメージの作成などにも活用できるでしょう。
ただし、画像生成AIでは図面や寸法を正確に再現できるとは限りません。イメージを手軽に作成したい場合はAI、正確な設計情報に基づいて制作したい場合は3DCGなど、目的に合わせて使い分けることが大切です。
鳥瞰パースを活用して、建物や敷地全体のイメージをわかりやすく伝えてみましょう。






