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インテリアの色彩と配色ルール

2024年1月9日
読了時間: 7分

更新日:9月22日


インテリアの印象を大きく左右するのが「色」です。同じ家具や内装材を使っていても、色の組み合わせや配分によって、空間は明るく広々と見えたり、落ち着いた雰囲気に感じられたりと、その印象は大きく変わります。


しかし、床・壁・天井から家具、カーテン、小物まで、インテリアには多くの色が存在するため、「どの色を組み合わせればいいのかわからない」「好きな色を選んだのに、まとまりのない空間になってしまった」ということも少なくありません。


そこで本記事では、インテリアを考えるうえで知っておきたい色彩の基本と配色ルールをわかりやすく解説します。色が空間に与える効果や基本的な配色の考え方を押さえながら、バランスのよいインテリアをつくるポイントを見ていきましょう。


CONTENTS



内装材の色彩と配色ルール


インテリアの中でも、床・壁・天井などの内装材は占める面積が大きく、空間全体の印象を左右します。家具や小物を選ぶ前に、まずはベースとなる内装の色を整えることが大切です。


床

床は空間の土台となるため、インテリア全体の方向性を決める重要な要素です。明るい床は軽やかで開放的な印象に、濃い床は落ち着きや重厚感のある印象になります。


木質系の床では、家具や建具との色味を合わせることで統一感を出しやすくなります。



壁

壁は室内で大きな面積を占めるため、基本的には白やアイボリー、ベージュ、ライトグレーなどの取り入れやすい色をベースにすると、家具やインテリアとの組み合わせがしやすくなります。


一部の壁だけ色や柄を変える「アクセントクロス」を取り入れると、空間にメリハリをつけることもできます。



天井

天井は、色の明るさによって空間の高さや広がりの感じ方が変わります。白や明るい色にすると天井が高く開放的に感じられ、暗い色にすると視覚的に低く感じられるため、落ち着いた雰囲気を演出できます。


壁と天井の色を近づければ空間全体がすっきりまとまり、色に差をつければ天井をデザインのアクセントとして見せることもできます。



建具・造作材

ドアや窓枠、巾木、収納などの建具・造作材も、空間の印象を左右します。床や壁と近い色でまとめると統一感が生まれ、あえて異なる色を選ぶとアクセントになります。


特に木目を複数取り入れる場合は、明るさだけでなく赤み・黄みなどの色味も意識すると、まとまりのある空間に仕上がります。




色が空間に与える効果


インテリアでは、同じ広さや間取りでも、使用する色によって空間の見え方や印象が変わります。色の明るさや暖かさといった特徴を理解しておくと、目的に合わせた空間づくりがしやすくなります。


膨張色と収縮色

白や明るい色は「膨張色」と呼ばれ、実際よりも大きく広がって見える性質があります。壁や天井など広い面に取り入れることで、空間を明るく開放的に見せる効果が期待できます。


膨張色を用いた明るく開放的なギャラリー
膨張色を用いた明るく開放的なギャラリー

一方、黒や暗い色は「収縮色」と呼ばれ、小さく引き締まって見える性質があります。家具や壁の一部などに取り入れると、空間にメリハリや奥行きを与えられます。


収縮色で家具のボリュームが引き締まって見えるコンパクトな室内
収縮色で家具のボリュームが引き締まって見えるコンパクトな室内

暖色と寒色

赤・オレンジ・黄色などの「暖色」は、暖かさや親しみのある印象を与えます。リビングやダイニングなど、くつろぎや団らんを重視する空間にも取り入れやすい色です。


暖色を取り入れたダイニング
暖色を取り入れたダイニング

青や青緑などの「寒色」は、涼しさや落ち着いた印象を与えます。寝室やワークスペースなど、すっきりとした雰囲気にしたい空間にも適しています。


寒色の落ち着いたワークスペース
寒色の落ち着いたワークスペース

進出色と後退色

色には、実際の位置よりも近く見える「進出色」と、遠く見える「後退色」があります。一般的に暖色は手前に迫って見えやすく、寒色は奥に下がって見えやすい傾向があります。


暖色の壁面が視覚的にこちらへ近づいて見え、空間の中で強く存在感を持つホテルのラウンジ
暖色の壁面が視覚的にこちらへ近づいて見え、空間の中で強く存在感を持つホテルのラウンジ

たとえば、壁に淡いブルーなどの寒色を取り入れることで奥行きを感じさせたり、暖色をアクセントとして使うことで、その部分を印象的に見せたりできます。


寒色の壁が視覚的に遠く感じられるので、奥方向への広がりを感じるホテルの廊下
寒色の壁が視覚的に遠く感じられるので、奥方向への広がりを感じるホテルの廊下

こうした色の視覚効果を活用することで、単に好みの色を組み合わせるだけでなく、「広く見せる」「落ち着かせる」「アクセントをつくる」など、目的に合わせた配色がしやすくなります。



インテリアの基本的な配色バランス


インテリアの配色を考えるときは、使いたい色を増やしすぎず、役割ごとに色を整理すると空間に統一感が生まれます。基本となるのが、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3つに分ける方法です。


ベースカラー

ベースカラーは、壁・床・天井など、空間の中で最も広い面積を占める色です。全体の印象を決める土台となるため、白やベージュ、グレー、木の色など、ほかの色と組み合わせやすい色がよく使われます。


配色全体の約70%を目安にすると、まとまりのある空間をつくりやすくなります。


白・ベージュ・明るい木を中心に構成したギャラリーショップ
白・ベージュ・明るい木を中心に構成したギャラリーショップ

メインカラー

メインカラーは、その空間のイメージを特徴づける中心的な色です。家具やカーテン、ラグなど、比較的大きなインテリアアイテムに取り入れます。


配色全体の約25%を目安にし、ベースカラーとの相性を考えながら選ぶことがポイントです。


ブルーのカーテン・ラグ・ソファが配置されたホテルの客室
ブルーのカーテン・ラグ・ソファが配置されたホテルの客室

アクセントカラー

アクセントカラーは、空間にメリハリをつけるために取り入れる色です。クッションやアート、小物、サインなど、面積の小さな部分に使用します。


配色全体の約5%を目安にすると、色が主張しすぎず、視線を引きつけるポイントとして効果的に使えます。


赤やオレンジのチェアが数脚だけ置かれたレストラン
赤やオレンジのチェアが数脚だけ置かれたレストラン

70:25:5を配色の目安にする

ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%という割合は、インテリアの配色を考える際のひとつの目安です。


洗練されたホテルのバーラウンジ(約70%=ベージュ・木などのベースカラー、約25%=深いグリーンのソファやカーテン、約5%=マスタードイエローのクッションや小物)
洗練されたホテルのバーラウンジ(約70%=ベージュ・木などのベースカラー、約25%=深いグリーンのソファやカーテン、約5%=マスタードイエローのクッションや小物)

必ずこの比率にする必要はありませんが、「広い面にはベースとなる色、中程度の面積には空間を特徴づける色、小さな面にはアクセントとなる色」と役割を分けることで、住宅だけでなくオフィスや店舗などでも、バランスのよい配色を考えやすくなります。



家具・インテリアアイテムの配色


床・壁・天井などのベースとなる色が決まったら、家具やカーテン、ラグなどの色を組み合わせていきます。個々のアイテムだけで考えるのではなく、空間全体をひとつの配色として捉えることがポイントです。


家具

ソファやテーブル、チェア、収納家具など、面積の大きな家具は空間の印象に大きく影響します。床や壁と近い色を選ぶと統一感のある落ち着いた印象になり、コントラストをつけると家具の存在感を強調できます。


木製家具を複数使用する場合は、木目の明るさや色味をある程度そろえると、空間全体がまとまりやすくなります。



カーテン・ブラインド

窓まわりは面積が大きいため、カーテンやブラインドの色も配色を左右する重要な要素です。壁と近い色にすると空間になじみやすく、メインカラーを取り入れるとインテリアの印象を特徴づけることができます。



ラグ・ファブリック

ラグやクッションなどのファブリックは、比較的取り入れやすく、配色の調整にも活用できます。ソファや家具と近い色でまとめたり、アクセントカラーを加えたりすることで、空間に変化をつけられます。



照明・小物・アート

照明器具やアート、植物、インテリア小物などは、アクセントカラーを取り入れるのに適しています。空間全体で使う色を意識しながら、小さな面積にポイントとなる色を配置すると、メリハリのあるインテリアに仕上がります。



家具やインテリアアイテムを選ぶ際は、それぞれを単体で選ぶのではなく、床・壁・天井を含めた空間全体の色のつながりを見ることが大切です。



まとめ


インテリアの配色は、空間の印象や過ごしやすさを大きく左右する重要な要素です。床・壁・天井などの内装材をベースに、家具やカーテン、ラグ、小物まで、空間全体の色のつながりを意識することで統一感が生まれます。


また、膨張色・収縮色、暖色・寒色など、色が持つ視覚的な効果を活用すれば、空間を広く見せたり、落ち着いた雰囲気を演出したりすることもできます。


配色に迷ったときは、ベースカラー70%・メインカラー25%・アクセントカラー5%をひとつの目安として考えてみましょう。それぞれの色の役割とバランスを意識することで、住宅はもちろん、オフィスや店舗などさまざまな空間のインテリア計画に活かすことができます。


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