【2025年最新版】3ds Maxとは?初心者向け基本機能・できることをわかりやすく解説
- KIMURA Tetsuya
- 7月12日
- 読了時間: 10分

3Dモデリングやアニメーション、レンダリングなど、幅広い3D制作に活用されている「3ds Max」。プロの現場はもちろん、建築パースやインテリアCGなどでも多く使われている定番ソフトです。
この記事では、2025年最新版の情報をもとに、3ds Maxの基本機能やできることを初心者向けにわかりやすく解説します。これから3Dを学びたい方、まずは概要を知りたい方にぴったりの入門ガイドです。
3D制作の世界を身近に感じながら、まずは3ds Maxの特徴をつかんでみましょう。
Mayaとの比較に関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
3ds Maxとは?|3D制作の定番ソフト
3ds Max(スリーディーエス マックス)は、Autodesk社が開発・提供している3Dモデリング・レンダリング・アニメーション制作の統合ソフトウェアです。1990年代から30年以上にわたり開発が続けられており、プロの制作現場でも定番ツールとして幅広く利用されています。
2025年現在も、建築ビジュアライゼーション、インテリアCG、アニメ・映像制作、ゲーム開発、プロダクトデザインなど、多くの業界で現役の3D制作ソフトとして活躍しています。
3D業界での立ち位置
数ある3Dソフトの中でも、3ds Maxは**「汎用性の高い総合3Dツール」**という位置づけにあります。特定の分野に限定されず、建築・工業系・エンタメ系まで幅広く対応できる柔軟さが特徴です。
また、直感的な操作性と安定したレンダリング性能が評価されており、特に建築パースやインテリアCGでは長年の実績を誇ります。一方、映画・映像・ゲーム分野でも強力なアニメーション機能や物理シミュレーション機能が活用されています。
建築からアニメまで幅広く使われる3つの理由
3ds Maxが多様な分野で支持される理由は、大きく次の3つです。
多彩なモデリング機能
ポリゴン、スプライン、NURBSなど複数のモデリング方式に対応し、建物・人物・製品など幅広い形状を作成可能。
高品質なレンダリング
標準搭載のArnoldレンダラーにより、フォトリアルな質感表現が可能。建築パースやCGパッケージでの採用実績が多い。
アニメーション・エフェクト機能
骨組み(リギング)、動き(モーション)、群集制御(群衆アニメーション)までサポートし、キャラクター表現にも対応。
3ds Maxを使ってできること

3ds Maxは「3D制作ならほぼ何でもできる」といっても過言ではないほど、多用途に対応できる統合ソフトです。ここでは、特に活用されている代表的な分野を紹介します。
建築パース・インテリアCG
建築ビジュアライゼーション(建築パース)は、3ds Maxの最も得意とする分野のひとつです。建物や室内のリアルな完成イメージを3DCGで表現することができます。
図面データをもとに立体化
材質や照明の細かな調整でフォトリアル表現
クライアント提案・コンペ・広告用に活用
アニメーション・映像制作
映画やテレビ、CM、YouTubeなどの映像制作でも3ds Maxは活躍しています。モーション、カメラワーク、エフェクトなど、多様な表現が可能です。
キャラクターの動き付け(リギング・モーション)
カメラアニメーションや群衆シミュレーション
ダイナミクス(布・煙・爆発などの物理シミュレーション)
ゲーム・VR・メタバース制作
近年はリアルタイムレンダリングの需要も高まっており、ゲームやVRコンテンツ制作にも利用されています。Unreal EngineやUnityとのデータ連携も可能です。
ゲーム用キャラクター・背景制作
VR空間用3Dオブジェクト制作
メタバース向けアバター作成
製品設計・プロダクトモデリング
プロダクトデザイン・工業製品・アクセサリー・家具などのCG作成でも利用されています。製品の販促用ビジュアルやデザイン検討段階で活用されます。
精密な製品形状のモデリング
質感表現でリアルな製品イメージを作成
プレゼン・カタログ・Web用ビジュアルに活用
用途別活用イメージまとめ
用途 | 主な活用内容 | 主なユーザー |
建築パース | 建物・内装の完成イメージ作成 | 建築事務所、設計士 |
アニメ・映像 | キャラ・背景・動き・VFX制作 | 映像制作会社、アニメスタジオ |
ゲーム・VR | ゲームキャラ・背景・アバター | ゲーム会社、メタバース開発 |
製品設計 | 製品形状・質感・販促用CG | メーカー、デザイン事務所 |
3ds Maxの代表的な機能

3ds Maxには「3D制作ってこういうことができるんだ!」と実感できる多彩な機能が搭載されています。初心者でも理解しやすいように、ここでは主要な5つの機能をわかりやすく紹介します。これから3Dを学びたい方は、まずこの5つをイメージできれば十分です。
1. モデリング機能|立体の形を作る
モデリングとは、3D空間に物の形を作る作業です。3ds Maxは複数のモデリング方法に対応しており、建物・家具・キャラクター・乗り物など、さまざまな形状を作ることができます。
ポリゴンモデリング:積み木のように面(四角や三角)を組み合わせて形を作る基本的な方法。建物・キャラクター・家具など幅広く使われます
スプラインモデリング:線を引いて輪郭を作り、それを厚み付けして立体化する方法。家具や建築の外観づくりによく使われます
NURBSモデリング:なめらかな曲面を作るのが得意な方法。車のボディや工業製品など、つるっとした形に向いています
2. マテリアル・質感表現|色・素材・光沢をつける
形を作っただけでは3Dは完成しません。そこに色や質感、光沢、透明感などを加えてリアルさを出していくのがマテリアル作成です。
3ds Maxでは、「マテリアルエディタ」を使って、木目、金属、ガラス、コンクリートなど様々な素材感を細かく設定できます。
2025年版ではOpenPBRマテリアルにも対応し、よりリアルな質感表現が可能になっています。
3. レンダリング機能|画像や動画に仕上げる
作った3Dデータはそのままではただの「形」でしかありません。レンダリングという工程を経て、画像や動画として完成させます。
3ds Maxでは「Arnoldレンダラー」が標準搭載されており、光や影、反射、質感を計算して高品質な仕上がりにしてくれます。建築パースや広告用CG、製品イメージなどで大きく活用されています。
4. アニメーション・動き付け機能
静止画だけでなく、3ds Maxではオブジェクトやカメラを動かすアニメーションも作成できます。
リギング(骨組み設定):人やキャラクターの中に骨を入れて自然に動かせるように準備する作業
キーフレームアニメーション:「〇秒後にここに動く」といった時間ごとの動きを指定する方法。滑らかな動きが作れます
群衆アニメーション(群集シミュレーション):たくさんの人や車などが自然にバラバラに動く様子を自動で作ることもできます
5. スクリプト・自動化機能|効率アップの秘密兵器
作業が複雑になると、毎回同じ操作を繰り返すのは大変です。3ds MaxはMAXScriptやPythonを使ったスクリプト機能が充実しており、自動化やカスタマイズが可能です。
大量のオブジェクト配置の自動化
自社専用のツール開発
複雑なエフェクト処理の簡略化
スクリプト・自動化機能は初心者のうちは使わなくても大丈夫ですが、上達すると強力な武器になります。
この5つの機能をイメージできれば、3ds Maxがどんなことに使えるソフトなのかが一気にわかりやすくなります。操作に慣れてきたら、機能を少しずつ組み合わせて作品作りに挑戦できます。
3ds Max 2025の価格情報
3ds Maxはサブスクリプション形式で提供されています。2025年5月時点での価格は以下の通りです。
プラン | 価格(税込) | 特徴 |
1ヶ月契約 | ¥39,600 | 短期間のプロジェクトやお試し利用に最適 |
1年契約 | ¥312,400 | 長期的な利用に適し、月額契約よりも割安 |
3年契約 | ¥938,300 | 最も割安なプランで、長期的なプロジェクトに最適 |
学習のしやすさ

3ds Maxは広範で複雑な機能を備えたツールですが、初学者にとって学習コストが高いと感じることはありません。その理由はいくつかあります。
まず、直感的なインターフェースがあります。
ユーザーがツールやオプションを見つけやすく、機能に素早くアクセスできるよう設計されています。
メニューやアイコンは視覚的に理解しやすく、初めて触れるユーザーでも戸惑うことなく操作を始めることができます。
また、Autodesk社が提供する豊富な学習資源が存在します。公式のドキュメンテーションやチュートリアル、ビデオコースなどが利用でき、これらの資源は無料で利用できるものも多いです。
さらに、3ds Maxは強力なコミュニティの存在があります。フォーラムやSNSグループでは、ユーザー同士が情報を共有し、質問に答えるなどの活発な交流が行われています。
初学者向けの専門学校やオンライン学習プラットフォームでも3ds Maxの講座が提供されており、実践的なプロジェクトを通じてスキルを向上させることができます。
これらの学習プログラムでは、実際の制作現場に近い状況での経験を積むことができます。
おすすめの参考書籍
これから紹介する2冊の書籍は、3ds Maxの基本操作や建築ビジュアライゼーションの基礎を学ぶのにぴったりです。ただし、最新バージョンの3ds Max 2026では新機能やインターフェースの変更があるため、最新情報については公式ドキュメントやオンラインチュートリアルを併用することをおすすめします。
『世界一わかりやすい3ds Max 操作と3DCG制作の教科書』
初心者が3ds Maxを習得するのに最適な一冊です。
基本的な操作から応用的なテクニックまで、豊富なイラストとわかりやすい解説で構成されています。
実践的なプロジェクトも取り入れられており、手を動かしながら学ぶことができます。
『超入門Autodesk 3ds Max建築ビジュアライゼーション』
建築ビジュアライゼーションに焦点を当てたこの書籍は、3ds Maxを使用して建築モデルやシーンを制作する際のノウハウを解説しています。
建築系のデザインや視覚化に興味を持つ方にとって、実践的かつ役立つ情報が満載です。
プロジェクトにおいて3ds Maxを応用するための手法が詳細に説明されています。
2冊はそれぞれの学習スタイルや興味に合わせて選ぶことをおすすめします。どちらも3ds Maxを使いこなすための手助けとなることでしょう。
おすすめのWebサイト
3ds Maxの学習や情報収集において、オートデスクが提供するWebサイト「AREA PAN」は非常に重要なリソースとなります。
以下はその特徴とメリットについての紹介です。
公式サポートと情報源
AREA JAPANはオートデスク公式のウェブサイトであり、最新のアップデート情報やパッチ、公式ドキュメントなどが提供されています。
コミュニティとフォーラム
サイト内には3ds Maxを使用するコミュニティが活発に参加しており、質問や問題に対する解決策、アイデアの交換が行われています。
ユーザー同士の交流を通じて新たな知識を得ることができます。
チュートリアル
AREA JAPANでは、公式のビデオチュートリアルが提供されており、手順やテクニックをわかりやすく学ぶことができます。
初心者から上級者まで、幅広いスキルに対応しています。
ユーザー事例
ユーザーが制作したプロジェクトのギャラリーも充実しており、様々なアイデアや技術をインスピレーションとして得ることができます。
イベント情報
セミナーやトレーニングなど、3ds Max関連のイベント情報も掲載されています。
AREA JAPANは、3ds Maxユーザーが最新の情報を入手し、コミュニティでつながりながらスキルを向上させるための重要なプラットフォームです。是非、積極的に活用してみてください。
まとめ

3ds Maxは、建築ビジュアライゼーション・アニメーション・ゲーム開発など幅広い3D制作で活用され続けるプロ向け定番ソフトです。高性能なモデリング・レンダリング・アニメーション機能を備え、商用プロジェクトでも安定した実績を誇ります。
ただし、高額なサブスクリプション費用が導入時の大きな負担となるのも事実です。近年注目されている「Indieライセンス」も一定の制限があり、個人利用でもコスト面が課題になりやすい状況です。
こうした背景から、無料で利用可能な高機能3Dソフト「Blender」がますます注目を集めています。費用負担ゼロで利用できる上、バージョンアップも頻繁で、建築CGやアニメーション制作の現場でも採用が広がっています。
3Dソフト選びでは「必要な機能」「予算」「今後のスキル展開」などを整理して、自分に合った環境を選ぶことが重要です。3ds Max・Blenderどちらにも強みがあり、最新の技術動向やライセンスモデルの変化を把握しながら、最適なツールで制作をスタートしてみましょう。
Mayaとの比較に関連する詳しい解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。